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新世代ストレージ戦国時代 第9回

ハイエンドのハードウェアに魅惑の機能がてんこもり

既存のストレージを凌駕するSymmetrix V-Maxの実力

2010年02月22日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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最新版ではバーチャルプロビジョニングを強化

 Symmetrix V-Maxは2009年に発表されて以降も、いくつもの機能強化が図られている。Engnuityの最新版では利用可能なメモリ容量やキャパシティ、ポート数などが拡張されたほか、機能面でも大きな拡張が施されている。

 このうち新機能の目玉はバーチャルプロビジョニングの強化である。バーチャルプロビジョニングは、実ボリューム以上のボリュームをサーバー側に仮想的に見せかけることが可能なシンプロビジョニング機能を指す。

実ボリューム以上のボリュームを仮想的に割り当てられるバーチャルプロビジョニング

 最新のEnginuityでは物理ボリュームと仮想ボリューム間で容易にデータを移動できるようになるほか、ゼロバイトのいわゆるチャンクデータの排除、容量拡張によるデータの再配置などの機能拡張が施された。これによりストレージの利用効率を向上させるとともに、管理も容易になった。

最新版で追加されたバーチャルプロビジョニングの改良点

 そして、現状ではまだまだThick(厚い)という状態だが、将来的にThin、Small、Green、Goneという4つのキーワードで表わせる技術をFASTで投入し、さらなるストレージの最適化を図る。

FASTの改良を加え、Thickからより利用効率を高めていく

 「Thinは前述したとおり、バーチャルプロビジョニングの拡張を意味する。続けて、FASTには重複除外と圧縮によるデータ削減(Small=容量節約)、ドライブのスピンダウンによる消費電力の削減(Green=省エネ化)、そして、本番環境でのダイナミックなアーカイビング(Gone=余剰データの排除)などの技術を段階的に投入していく」(シュタインハート氏)とのことだ。用途に合わせて複数の最適化技術を投入することで、データ容量の増大や性能劣化に対応するというわけだ。これがストレージに対する悩みを抱えるユーザーに対するV-Maxの価値といえる。

 Symmetrix V-Maxというと、とかく性能や拡張性の高いハードウェアアーキテクチャに焦点が当たりがちだが、実はFASTを中心とする自動化やストレージ最適化などソフトウェアにも数多くのテクノロジーが盛り込まれていることが理解できた。なにより「命に関わるようなミッションクリティカルな場面でも使われている」(シュタインハート氏)という要件にかなう高い信頼性や可用性がハイエンドストレージならではの魅力といえる。今後のロードマップにも期待したい。

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