ディスプレーの解像度は縮小
文字ベースなら実用性は落ちない
仕様面で目立つ違いは、ディスプレーのサイズと解像度だ。ディスプレーサイズは4型で、DM10と同じ、DM20の5型より一回り小さい。さらに解像度は320×240ドットと、縦横共に半減している。
ここまで解像度が低くなると、使用感も悪くなるのではないかと懸念するところだが、実際にはそれほどでもない。最小フォントサイズの「12×12ドット」時は、26字×17行の表示領域を確保しているので、文章入力には十分対応できる。文字も小さくはあるが、漢字を見分ける程度は苦にならない。なお表示フォントサイズは4種類用意されている。
サイズや解像度より気になるのは、液晶パネルの種類による表示の差だ。DM10/20はTFT方式のモノクロ液晶パネルを、DM5はSTN方式のモノクロ液晶パネルを採用している。見比べてみると、DM20は黒がしっかりと黒に見え、文字も引き締まった印象を受ける。DM5では黒の部分がやや青みがかって見え、やや安っぽい印象を受けてしまう。応答速度も遅いため、カーソルを動かしたあとに見失いやすい。価格を考えれば致し方ないところか。なお、ポメラはいずれも液晶バックライトを持たないので、暗所での視認性は考慮されていない。
ベースはDM10 文字数制限やファイルシステムも同様
実機の動作や仕様を見比べた限りでは、DM5のソフトウェア周りの仕様はDM10とほぼ同様のようだ。まず1ファイルの文字数が最大で全角8000文字、本体メモリーの最大文字数は4万8000文字と等しい。また、DM10では電源オフ時にカーソル位置を覚える機能がなく、「付箋文」という機能を使い、文章中にキーワードを入力してそこに飛ぶという手段で代替するしかなかったが、DM5も同様だ。
また、DM20では本体メモリーやmicroSDメモリーカード内にある階層化されたフォルダー構造を認識して、任意のフォルダー内のテキストファイルにアクセスしたり、新規フォルダーを作るといったファイルシステム操作の機能があった。しかしDM5はこれらの機能がなく、例えばmicroSDメモリーカードでは、「ルート¥POMERA」フォルダーにしかアクセスできない。
こちらの記事で好評だった「自動改行設定」や「キーバインド設定」などもない。多機能になったDM20と比べれば後退と思える仕様だが、DM10と同等と考えればそう悪いものでもない。シンプルなメモ書きツールとしての本質は損なわれていないからだ。
内蔵の日本語入力ソフトは定評あるATOKで、特に説明書を読まなくてもATOK(MS-IMEのキー設定も可能)を触ったことのある人なら、何の不自由もなく日本語テキストを入力できる。これはiPhoneや非WindowsのMID(携帯型インターネット機器)では味わえない快適さだ。
メニューの表示方式は、DM10/20がWindows風に横方向にメニューが並ぶ方式だったのに対して、DM5では画面左の縦方向に並ぶようになった。たいした違いではないし、好みの問題かもしれないが、筆者はこちらの方が使いやすいように感じた。
なお、DM10ではmicroSDHCメモリーカードに対応していなかったが、DM5では正式に、最大16GBのmicroSDHCメモリーカードに対応した。「携帯電話機で使っているメモリーカードをポメラでも使い回したい」、という時に便利になる。パソコンとのデータ交換は、従来どおりmicroSD/SDHCメモリーカードかUSB接続となる。
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