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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第40回

錯綜するコード名の違いを一覧 CPUコード名まるわかり

2010年02月22日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/)

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45nm SOIのShanghaiが主流のAMDモバイルCPU

 続いてモバイルCPUに目を移してみる。

AMDモバイルCPUのコード名一覧

アーキテクチャー
コード名
製造プロセス 製品コード名 製品
Lion 65nm SOI Lion Turion X2 Ultra ZM-80番台
Athlon X2 QL-60番台
Tyler Huron Athlon Neo MV-40
Conesus Turion Neo X2 L625
Shanghai 45nm SOI Champlain N/A
Caspian Turion II Ultra M600番台
Turion II M500番台
Athlon II X2 M300番台
Sargas Sempron M100番台
Geneva N/A
Llano 32nm SOI Llano N/A
Ontario Ontario N/A
「Lion」ことTurion X2

「Lion」ことTurion X2

 65nm SOIプロセスの世代では、モバイル向け専用設計とした「Lion」コアが、「Turion X2」「Turion X2 Ultra」である。ただし、すでにTurion X2はフェーズアウトしており、現時点ではTurion X2 Ultraのみが残っている。

 またLionの前世代(デスクトップ/サーバー向けと共通設計)の「Tyler」コアをシングルコア化して、かつ消費電力を下げたのが「Huron」というコード名の「Athlon Neo」。それを再びデュアルコアに戻したのが、「Conesus」の「Turion Neo」である。

 モバイル向けCPUも45nm世代では、Shanghaiベースに変わっている。と言っても、「モバイル向けにクアッドコアはいらないし、3次キャッシュも不要」ということで、デスクトップ向けで言うところのRegorを「Caspian」として、「Turion II Ultra/Turion II/Athlon X2」の各ラインナップに展開している。

 また、モバイル向けにはまだSempronがラインナップされており、これはCaspianの1CPUコアを殺した「Geneva」が予定されている。これはデスクトップで言うところのSargasにあたるものだ。

 ちなみにAMDのロードマップによれば、2010年にはモバイル向けのクアッドコア製品として「Champlain」が予定されている。だが現時点ではまだ発表されていない。

TylerおよびChamplainに関する記述を加筆いたしました。(2010年2月24日)


Xeon並みにややこしいOpteron系のコード名と製品名

 最後にサーバーである。こちらはXeonと同様に商品名は「Opteron」に統一され、4プロセッサー以上が「Opteron 8000」シリーズ、2プロセッサーが「Opteron 2000」シリーズ、1プロセッサーは「Opteron 1000」シリーズとなっている。そのため、Budapest(Barcelonaの1プロセッサー向け)/Barcelona/Shanghai/Istanburの各アーキテクチャーが混在しており、モデルナンバーで区別をするしかない。とはいっても、基本的には性能に合わせて数字が上がるスタイルなので、それほど混乱はないだろう。

AMDサーバーCPUのコード名一覧

アーキテクチャー
コード名
製造プロセス 製品コード名 製品
Barcelona 65nm SOI Barcelona Opteron 8340番台/8350番台/8360SE
Opteron 2340番台/2350番台/2360SE
Budapest Opteron 1350番台
Shanghai 45nm SOI Shanghai Opteron 8370番台/8380番台/8393SE
Opteron 2370番台/2380番台/2393SE
Opteron 1380番台
Istanbur Opteron 8425HE/8430番台
Opteron 2419EE/2420番台/2430番台
Magny-Cours N/A
Lisbon N/A
Shanghai 32nm SOI Interlagos N/A
Valencia N/A

 ちなみにOpteronの場合、モデルナンバーの末尾は以下のような法則になっている。

  • なにも付かない:通常電力版(100W程度以下)
  • HE:省電力版(Highly Efficient:55W以下)
  • EE:超省電力版(Energy Efficient:40W以下)
  • SE:高性能版(Special Edition:100W以上)

 ただ幸い(?)な事に、2010年投入されるSocket C32/G34ベースの製品は、「Opteron 6000/4000」シリーズの名前に切り替わるので、これから投入される製品は従来製品と明確に区別されることになる(関連記事)。

 Socket C32はShanghai/Istanburと同じコアを流用するが、こちらは「Lisbon」としてまとめられる。一方Socket G34は、Shanghai/IstanburのMCM構造となり、これは「Magny-Cours」と呼ばれる。2011年にはBulldozerコアが投入されてまた混乱が始まりそうだが、それまでは比較的判りやすい形で推移するだろう。

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