このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

コスト削減100本ノック 第29回

重厚長大なシンクライアントはもういらない?

【29本目】会社からPCを消す!究極のコスト削減術

2010年02月17日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

クラウドは壊れないPC

 しかし、ビジネス・ゲート・プレミアには仕組み上解決しがたい課題が1つだけあった。「ビジネス・ゲート・プレミアはアクセスされる既存PCと、アクセスする側の端末が必要になります。お客様からは『これって永遠に2台持ちってことですよね』といわれてしまったんです」(柴崎氏)という課題だ。ということで、能書きが長くなったが、この課題を解決するために先頃開始されたのが、「ビジネス・ゲート・ZERO」である。

 ビジネス・ゲート・ZEROの発想は、従来企業内に設置してあったPCをクラウド上に持ってくるというものだ。ユーザーはつねにシンクライアント端末を持ち歩けば、SSL-VPN経由でクラウドにアクセスし、自身のデスクトップを呼び出せる。会社のデスクからPC自体をなくしてしまうので業務停止や漏えい、盗難などのリスクも減る。「クラウドは壊れないPCのようなものなので、業務停止のリスクもゼロです。社内に情報が格納されているPCがありませんので、情報漏えいの危険性も低くなります」(柴崎氏)とのことで、モバイル環境での業務でも、在宅勤務でも利用できる。

PCを消してしまえば、リスクもともに消える(同社の資料より)

 月額1万6000円/1台ということで、利用料はやや高めだが、これにシンクライアント端末、Windows XPやMicrosoft Officeのライセンス、アンチウイルスソフト、インターネット回線、ファイアウォール、サポートまで全部含まれる。クラウド側の機器もすべて二重化されており、常時保守・監視が行なわれている。本来、会社にPCを設置した場合の電気代やメインテナンス、障害対応の料金、資産やライセンス管理の保守から考えれば、多くの企業で安くつくはず。同社はさらに企業内にあるサーバーをクラウド上にホスティングすることで、ネットワークコストをなくすことまで構想している。こうするとさらに大きなコスト削減に到達するだろう。

 現在、仮想化の分野でもデスクトップの仮想化がホットな分野だが、ビジネス・ゲート・ZEROはまさにそれを先取りした新しいITサービス。柴崎氏は「現状はライセンスの問題がやや面倒ですし、映像やCADの分野はシンクライアントでは厳しいです。しかし、今後は絶対にすごい勢いで普及します」と大きな期待を寄せている。

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事