クラウドは壊れないPC
しかし、ビジネス・ゲート・プレミアには仕組み上解決しがたい課題が1つだけあった。「ビジネス・ゲート・プレミアはアクセスされる既存PCと、アクセスする側の端末が必要になります。お客様からは『これって永遠に2台持ちってことですよね』といわれてしまったんです」(柴崎氏)という課題だ。ということで、能書きが長くなったが、この課題を解決するために先頃開始されたのが、「ビジネス・ゲート・ZERO」である。
ビジネス・ゲート・ZEROの発想は、従来企業内に設置してあったPCをクラウド上に持ってくるというものだ。ユーザーはつねにシンクライアント端末を持ち歩けば、SSL-VPN経由でクラウドにアクセスし、自身のデスクトップを呼び出せる。会社のデスクからPC自体をなくしてしまうので業務停止や漏えい、盗難などのリスクも減る。「クラウドは壊れないPCのようなものなので、業務停止のリスクもゼロです。社内に情報が格納されているPCがありませんので、情報漏えいの危険性も低くなります」(柴崎氏)とのことで、モバイル環境での業務でも、在宅勤務でも利用できる。
月額1万6000円/1台ということで、利用料はやや高めだが、これにシンクライアント端末、Windows XPやMicrosoft Officeのライセンス、アンチウイルスソフト、インターネット回線、ファイアウォール、サポートまで全部含まれる。クラウド側の機器もすべて二重化されており、常時保守・監視が行なわれている。本来、会社にPCを設置した場合の電気代やメインテナンス、障害対応の料金、資産やライセンス管理の保守から考えれば、多くの企業で安くつくはず。同社はさらに企業内にあるサーバーをクラウド上にホスティングすることで、ネットワークコストをなくすことまで構想している。こうするとさらに大きなコスト削減に到達するだろう。
現在、仮想化の分野でもデスクトップの仮想化がホットな分野だが、ビジネス・ゲート・ZEROはまさにそれを先取りした新しいITサービス。柴崎氏は「現状はライセンスの問題がやや面倒ですし、映像やCADの分野はシンクライアントでは厳しいです。しかし、今後は絶対にすごい勢いで普及します」と大きな期待を寄せている。
この連載の記事
-
第45回
ビジネス
【45本目】パートナー参加でストックフォトが安くなる? -
第44回
データセンター
【44本目】無個性だけど低価格!アリスの裏メニューとは? -
第43回
ビジネス
【43本目】FAXのようにメールを送るNetSpartで通信費削減 -
第42回
ソフトウェア・仮想化
【42本目】あのDBからの乗り換えで半額に!IBM DB2という選択 -
第41回
データセンター
【41本目】モジュラー型データセンターのコスト勘定とは? -
第40回
ネットワーク
【40本目】機器のコストを下げる中古という選択肢 -
第39回
ソフトウェア・仮想化
【39本目】データ統合ツールで人海戦術を排除したら? -
第38回
ネットワーク
【38本目】1時間4.5万円で、あのテレプレゼンスが使える! -
第37回
TECH
【37本目】ウイルス対策ソフトを無料で強化する方法 -
第36回
TECH
【36本目】管理者泣かせのパッチ地獄から逃れる方策 -
第35回
サーバー・ストレージ
【35本目】アーカイブ活用でExchangeサーバーをなんと半分に - この連載の一覧へ