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コスト削減100本ノック 第29回

重厚長大なシンクライアントはもういらない?

【29本目】会社からPCを消す!究極のコスト削減術

2010年02月17日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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ソフトブレーン・インテグレーションが「会社の机からPCを消す!」と鼻息を荒く始めた新サービスが「ビジネス・ゲート・ZERO」である。今後流行の予想されるデスクトップの仮想化を先取りしたシンクライアントサービスが登場した背景を、同社の代表取締役社長である柴崎忠生氏に訊く。

営業支援ソフトの会社が
なぜシンクライアント?

ソフトブレーン・インテグレーション代表取締役社長 柴崎忠生氏

 ソフトブレーン・インテグレーションは中小企業向け営業支援・顧客管理ソフトとして高いシェアを誇る「eセールスマネージャー」を展開するソフトブレーンの子会社だ。営業支援ソフトの子会社がなぜデスクトップ仮想化サービスを?という疑問もあるだろうが、「モバイルワーカーを支援する」という目的からすると実に自然なのだ。

 ご存じのとおり、昨今、情報漏えい対策や個人情報保護、内部統制の必要性などから、企業でのセキュリティ規制が厳しくなっている。「企業はリスクを回避するために、PCを持ち出したり、外部から企業の情報にアクセスしたり、携帯電話にアドレス帳を入れることすら禁止している。3GやWiMAXなどモバイルブロードバンドが普及しているのに、外でメールを読めない人も多い」(柴崎氏)という状況なのだ。せっかくeセールスマネージャのような営業支援ツールがあっても、外出先や出張先でバリバリ使えない。この結果、従業員のモチベーションとモラルが下がり、かえって情報漏えいを引き起こすという例もある。この課題を解決するためには、安心してモバイルで仕事をできる環境の構築が必要になる。

 同社は長らくモバイル端末の導入コンサルティングやMVNO事業を行なってきたが、他社サービスのみの提案ではどうしても限界が生じる。そこで、セキュリティと利便性を両立するモバイルワーク環境を構築するために開始したのが、2007年に開始したシンクライアント環境の構築サービス「ビジネス・ゲート」である。

 ビジネス・ゲートは、シトリックスのような画面転送型のシンクライアント環境を構築するものだ。しかし、「ソフトウェアのライセンスとか、データベースとか、さまざまな製品を組み合わせると、とにかく高価で複雑。見積もりを作るのも大変で、手間がかかる割には売れませんでした」(柴崎氏)ということで、あまり導入は伸びなかった。どこの会社からも、シンクライアントのような守りの投資に大きなお金は出せないといわれたようだ。

実は簡易サービスで問題なかった

 そこで次善の策として考えたサービスが、2008年に開始した「ビジネス・ゲート・プレミア」である。ビジネス・ゲート・プレミアは、社内にあるPCに対して遠隔地からSSLでリモートアクセスするサービスで、MVNO事業者としてモバイルのシンクライアントも用意した。

 自席のPCをシンクライアントのサーバーとして使う、いわば簡易的なサービスでありながら、フタを開けてみればビジネス・ゲート・プレミアは大きく受け入れられたようだ。「あまりにも簡単な仕組みなので、成功すると思っていませんでした(笑)。でも、プレミアを提供してみたら、導入した企業のうち多くから『うちはこれで十分』という声をいただいた。サーバーやネットワークへの投資もいらないし、自席のPCもそのまま使える。現有資産をそのまま使っているのに、ワークスタイルは大きく変わる。彼らにとって見れば魔法のように見えたようだ」(柴崎氏)だった。端末があれば、どこでも安全に仕事ができるため、部長が端末を持って会議室にこもって仕事するようになったり、電車で仕事ができるため、社用車の利用が激減したり、といったユーザーもいたという。

 月額利用料950円/台という低廉な料金も手伝って、結果としてeセールスマネージャのユーザー以外も大きく伸びた。もちろん、PCの電源を常時入れておかなければならないという課題もあった。しかし、これもユーザー宅のサブネットに専用のアプライアンスを設置し、ケータイメールからPCの電源を入れる仕組みを導入することで解消した。

遠隔から電源をオンにする仕組み(同社Webサイトより抜粋)

(次ページ、クラウドは壊れないPC)


 

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