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Endeavor Pro4700 速さと拡張性を備えたハイエンドPC

2010年02月26日 14時00分更新

文● 寺崎基生、小西利明/ASCII.jp編集部

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ゲームマシンとしても十分及第点が付けられるパフォーマンス

 Pro4700評価機は最新のミドルレンジ・グラフィックスカードを搭載している。ゲームマシンとしての3D性能はどの程度のものか、ゲームを使ったベンチマークも測定してみた。

 まず、カプコンの「バイオハザード5ベンチマーク」は、2010年9月に発売された人気ゲームソフトを使ったベンチマークソフトだ。このベンチマークには、「DirectX 9モード」と「DirectX 10モード」のテストが用意されているが、今回は「DirectX 10モード」で測定している。オプション設定は、デフォルト設定と高負荷の2つの設定を使い、解像度を3段階に変更して「ベンチマークテストB」の測定を行った。高負荷設定では、アンチエイリアスを8xに設定、モーションブラーもオンにした。

バイオハザード5ベンチマークの計測結果

バイオハザード5ベンチマークの計測結果。単位はfps

 その結果、1280×720ドット表示では、高負荷でも60fpsを超えており、十分快適にプレイできることがわかる。一方で1920×1200ドット表示では、デフォルト設定でも45fpsと、もたつく程ではないもののぎりぎり快適という程度のスコアとなった。1440×900ドットなら、デフォルト設定で余裕の快適プレイが可能だ。

 もうひとつのゲームベンチマークとして、スクウェアエニックスの「ラストレムナント」のベンチマークプログラムも実行させてみた。このベンチマークでは、グラフィックスカードのドライバー側で、アンチエイリアスの設定を「オフ」(アプリケーションによるコントロール)と「4x」の2つの設定でテストした。

ラストレムナントベンチマークの計測結果

ラストレムナントベンチマークの計測結果。単位はfps

 結果は、1920×1200ドットの解像度での重負荷設定でも約60fpsを実現しており、快適なプレイが可能だと言える。アンチエイリアスの有無も、あまりスコアに影響を与えないようだ。

 これらの結果を見ると、Pro4700+Radeon HD 5750のゲームマシンとしての性能は、ほぼ合格点と言える。現在販売されている3Dゲームなら、ほぼ快適にプレイできよう。ただし24万円近い価格を考えると、ゲーム用として導入するのはやや割高感もある。あくまで用途のひとつとして「ゲームをやらせても快適なマシン」と考えた方がいい。


Windows XPモードでも快適なパフォーマンス

 Windows 7 Ultimate/Professionalでは、Windows 7上でWindows XPを仮想マシンとして動作させる「Windows XPモード」を利用できる。試用機には、Windows 7 Ultimate 64bit版がインストールされていたので、Windows XPモードを試してみた。

 Windows 7そのままと、XPモードで使用したときのパフォーマンスの差を、総合ベンチマークテストの旧版「PCMark 05」で測定してみた。ただし、PCMark05は64bit版上では一部のテストが動かないほか、XPモードではグラフィックステストも動かないため、一部項目のみの比較となる。

PCMark 05によるWindows 7とXPモードの性能比較

PCMark 05によるWindows 7とXPモードの性能比較

 ベンチの結果を見ると、CPUパフォーマンスは6割程度、メモリーはそこそこ速いが、HDDは約4分の1程度に低下している。それでも、それなりに快適に動作するのは、元の性能が非常に高いためだろう。タスクマネージャーで確認してみると、XPモードにはCPUがひとつしか存在しない。つまり、仮想マシンソフト「Virtual PC」が割り当てているCPUコアはひとつだけということだ。そのため、素のWindows 7よりも低い性能となるのはしかたない。

 あまり現実的な作業ではないが、パフォーマンス差を把握するために、動画のエンコードテストもしてみた。「TMPGenc 4.0 Xpress」を使用して、約30分間のフルHD MPEG-2ファイルを、MPEG-4 AVC/H.264型式へとエンコードした。使用フィルターは、インターレース解除のみ。

 Windows 7環境でのエンコード時間は約22分と、驚くべき速さとなった。フルHDのH.264エンコードが、実時間以下で終わるというのはすごいパワーである。一方XPモードで同様のエンコードすると、1時間19分必要だった。時間にして約4倍。HDDのパフォーマンスが4分の1になっていることを考えると、妥当な結果と考えられる。

 Windows XPでないと動作しないアプリケーションを利用したいとき、それほどストレスを感じずに利用できるのは、いざというときに頼りになる。元々が速いので、XPモードを使いながらでもほかの作業が快適にできるというのも、ハイエンドマシンならではの利点だろう。


 拡張性の高さにパフォーマンスも充実と、Pro4700はハイエンドタワー型デスクトップに相応しい優れた性能を備えた製品と言える。また、非常に堅牢なPCケースは、業務用パソコンとしても高い信頼感を与えてくれる。Windows 7導入に合わせて、初期導入コスト最優先というよりも、高性能かつ高品質で「長期間使えるパソコンが欲しい」という方にはお勧めの1台だ。

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