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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」第16回

まさかの「人間ボーカロイド」 プアミルクの奇妙な音楽論

2010年02月20日 12時00分更新

文● 四本淑三

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ボーカロイドになるのはいいけど、セリフを言うのは恥ずかしい

―― それを歌わされているあずきさんの心境を教えてください。

あずき 歌詞の内容は全然気にしてないです。歌って欲しいと言われたことを歌うのが楽しい。

―― 「イクとき言って」とか「しゃぶらせられるんだもん」とか、完全にアウトな歌詞も多いですが。

あずき その「さいたまガール」※6は大好きです。空耳アワーみたいな、あのアイディアはすごいなと思いました。

「あの曲、好きだよね?」「うん」

―― 日本語なのにフランス語っぽいボーカルの発音も素敵です。

人骨 歌詞とは別に平仮名で発音を指定しています。まさに人間ボーカロイドです。何でも歌ってくれる。

あずき そこら辺はすごく厳しいんですよ。息継ぎの場所とか指示されますよね。逆に「さいたまガール」で恥ずかしかったのは、合間にセリフが入るところ。無心になってやろうとしているんだけど、最終的に笑ってます。

―― フレンチロリータによくある羞恥プレイ的なパートですね。あれは演出じゃなかったんだ。そういえば「さいたまガール」はスズナリさん※7もカバーされていますけど。



人骨 突然mixiにメッセージが入っていて「カバーしましたんでよろしく」って。

あずき 事後承諾でしたよね。

人骨 それを見てどう返事しようかと思ったんですが、キース・エマーソンに編曲許可を求められたヒナステラ※8が返した絶賛の文章を覚えていたので、それをそっくり真似して書きました。

―― なんてまたマニアックな! そんなのネタとしても絶対に分からないですよ。

人骨 そう思いつつ送って、1週間後には会って飲んでました。本当にいろいろ教えてくれるし、良くしてもらってます。最初に僕らを見つけてくれたのがスズナリさんなんです。

―― 細かいことですが公式サイトで「さいたまガール」の歌詞を見ると「Bebe Maquereau」というサブタイトルが付いてます。「鯖の赤ちゃん」。あれ、何ですか?

人骨 ああ! それは良く気がつきましたね!

あずき えーっ。私知らないよ、そんなの。

人骨 フランス・ギャル※9に「Bebe Requin」という曲があるんですよ。「サメの赤ちゃん」っていう。だったら「さいたまガール」には「鯖の背しましま」っていう歌詞が出てくるし、鯖の赤ちゃんにしちゃえって。

―― そこもそんなにヤヤコシイ引っ掛けだったんですか! 

※6 さいたまガール : 歌詞のすべてがフランス語の発音に近い日本語で構成された1曲。フレンチポップの空耳のように聴こえてしまうのが面白い。

※7 スズナリさん : いわゆる「歌ってみた」系で有名な作家。nak-amiPの「わたしはミーム」などカバー曲のセンスの良さでも知られる。最近は初のオリジナルボカロ曲「ボーイ アダムスキー」も発表。

※8 ヒナステラ : アルゼンチンの作曲家、アルベルト・ヒナステラ。EL&Pのアルバム「恐怖の頭脳改革」(1973)に収録されている「トッカータ」は、ヒナステラのピアノ協奏曲 第1番を編曲したもの。

※9 フランス・ギャル : フランスの歌手。代表曲は「夢見るシャンソン人形」。ちなみに人骨さんのオススメは「夢見るフランス・ギャル~アンソロジー」。

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