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動画サイトってどうなの? 儲かるの? ― 第3回

ドワンゴ小林宏社長が語る「ビジネスとしてのニコニコ動画」

2010年02月16日 12時00分更新

文● 松本淳

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赤字の「番組制作費」を削れば黒字になるが

―― 昨年の生放送のチャンネル拡充など、「ユーザー参加型」のプラットフォームとしての機能を維持・向上していくためには、インフラ増強はもちろん機能アップも断続的に図る必要があります。

小林 昨年の決算でも、生放送などで売上げが伸びた一方で、そういった原価も上がってしまい、大きな利益を残すことが出来ませんでした。しかし、前年までのインフラ投資はようやく回収できたのも事実です。決算で黒字化を果たせなかったのはその部分ではなく、番組制作費などのコンテンツ部分のコストが増加してしまったのが主な原因です。

「インフラへの投資は回収できた」と話す。赤字として収益を圧迫しているのはあくまで「大会議」などの番組制作費

―― 生放送のチャンネル拡充は、逆にインフラのコストを押し上げるのではと考えていたのですが?

小林 ニコニコ動画の生放送は、ニコニコ動画が提供するものもユーザーが配信できるものも、原則としてアーカイブを行いません。インフラコストに与えるインパクトは通常のスマイルビデオによるものよりも小さいんです。

―― なるほど、そうすると、番組制作費に対する予算を下げれば黒字化も達成できることになりますね。

小林 そうなります。ただし、先ほどの一般化のところでもお話ししたように、そこを止めてしまうと、新規会員の獲得にも影響してしまいますので、続けていく必要があります。

 ただ、西村・夏野が別のインタビューで制作費について社内に対して厳しい意見を述べていましたが、私も同意見です。予算オーバーは絶対にいけません。しかし、そういった予算コントロールをきちんと行ない、今の有料会員増加ベースで行けば、月次の黒字化も近い将来にお知らせできるはずです。

ニコニコ大会議(写真は札幌のもの)。プレスに対してだけでなく、ユーザーに対しても新サービスや収支状況を「発表」する珍しい場でもある

 月次の黒字を達成したら、今度は累損を一掃したいですね。それはもう凄い金額になっていますから(笑)。

―― ドワンゴ全体の決算の中で見ると、ニコニコ動画は「ポータル事業」として計上されていますが、グループ全体の比率としてはまだ9.1%という小さい存在です。グループの中での位置づけや、今後どのように育てていく予定でしょうか?

小林 もともとドワンゴはシステム構築やゲーム提供に始まり、ケータイの普及にあわせて着うた配信で伸びてきた会社です。

 着うた、つまり音楽を中心として、そこに様々なサービスを付加していく形でビジネスを組み立てようと挑戦していた時期もありました。しかし、それはあまりうまくいきませんでした。

 「ニコニコ動画」は映像、つまりありとあらゆるジャンルやエンターテイメント、情報など全てのコンテンツが乗るプラットフォームになりつつあります。つまり、それが「ポータル事業」として位置づけている所以ですね。まだ全体の中では小さい存在ですが、今の伸びから考えると、十分に中心となり得るものだと期待しています。

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