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動画サイトってどうなの? 儲かるの? 第3回

ドワンゴ小林宏社長が語る「ビジネスとしてのニコニコ動画」

2010年02月16日 12時00分更新

文● 松本淳

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伸び悩んだ広告収益 タレント起用は「やせ我慢」と「先行投資」

―― 生放送は確かに昨年の決算の中でも、明るい材料の一つでした。一方で、広告収益は目標を達成できず、伸び悩みましたね。

小林 不景気の影響ももちろんあるのですが、まだまだ若年層向けの訴求、広告提案が十分では無かったと捉えています。

Google Ad planerによるニコニコ動画の世代構成。今のところ10代のユーザーが多数を占める

―― 広告モデルは今後どのように伸ばしていこうとお考えでしょうか?

小林 20代人口の約50%がニコニコ動画を利用している、という調査結果もあります。商材にもよるとは思いますが、ナショナルクライアントにとっても、たとえばパソコンとか飲料などでは魅力のあるメディアであるはずですし、実施実績も積み上がってきています。こういった展開提案をより積極的に行なっていきたいですね。

―― 先ほど話に出た「生放送」ですが、一方でタレントの起用や本格的な番組構成など制作費がかかっているようにも見えます。

小林 それは確かにやせ我慢もしながら、先行投資として捉えています。「一般化」を目標として掲げていますが、その一環として予算も含め重点的に取り組んでいるものの一つです。

ストリーミング放送の「ニコニコ生放送」では、タレントや有名人が出演する「公式生放送動画」を数多く放映している

―― しかし、そういったリッチな番組に魅力を感じてやってくるユーザーは、常にそういったコンテンツが用意されていないと、継続的にニコニコ動画を利用してくれないのではないでしょうか?

小林 YouTubeをはじめとする動画サイトの多くは動画を1つみたら基本満足する設計だと思いますが、ニコニコ動画には、タグやランキングなどによる回遊の仕組みがあります。しかしそういったコンテンツがきっかけでやってきたユーザーが「次に見るコンテンツ」がアニメ・ゲーム系に偏っていると、見るものがなくて困ってしまうという課題もありました。そこで前回のリニューアルでカテゴリを整理した経緯があります。結果、全体としての滞在時間はより長くなる傾向にあり、上手く機能していると捉えています。

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