1インチを切る、フラットな薄型ボディー
ProBook 5310mシリーズは13.3型ワイド液晶ディスプレー(解像度1336×768ドット)を採用したモバイルノートだ。1インチを切る、23.5~25mmの薄さが魅力。ゴム足などの突起は当然あるが、側面から見ると厚さは前面から背面までほぼフラットになっている。メーカーによっては、カタログに打ちだしやすい最薄部だけにこだわり、かえって使いにくい形状になっているケースもあるが、この機種に関してはスペック値だけでなく使い勝手も考慮して決められたデザインと感じる。
都会的でエレガントなデザインは最近のHPノートの特徴だが、本機の見た目もなかなかのものだ。ビジネスシーンで取り出しても違和感がない落ち着いた雰囲気を維持しつつも、高級感を感じさせる。
本体は天板およびパームレスト部分が、粗めのヘアライン処理を施したアルミ合金。液晶パネルのフレーム部やヒンジ、タッチパッドなどは光沢感ある樹脂、ボトム部分は強度が高く、マットな質感のマグネシウム合金製となる。カラーは引き締まったブラックで、シルバーのエンブレムやホワイトLEDがアクセントを添えている。
キーボードは流行の浮石型(アイソレーションタイプ)。滑りにくいマットな質感のキートップより一段低い位置に、厚さ2mm程度の樹脂を使用した、光沢感あるベース部分が置かれている。ここは液晶フレームと同一の光沢素材を使っており、キーのない部分の表面をえぐり取って、その下にあるアクリルパーツの地層を露出させたような印象を与える。ディスプレー部分との一体感もある。
企業向けと言うこともあり、液晶パネルはノングレアタイプでLEDバックライトを使用。発色よく、映り込みを気にせず使用できる点も嬉しい。
幅は328mmとA4サイズの長辺より2~3cm広く、重量は4セルバッテリー搭載時で約1.72kg。モバイルノートとしては大型だが、そのぶんキーボードは広く、作業がしやすい。ただし、レイアウトはEnterキーの右わきにPgUp、PgDnを配置したタイプなので、好き嫌いは分かれるだろう。
またタッチパッドがやや滑りにくく、指先での細かな操作には若干ストレスがかかる。マルチタッチを利用したジェスチャーにも対応しているが、個人的にはマウスと併用した方が快適に操作できると感じた。
ブラックを基調としたボディーは美しいが同時に指紋による汚れが目立ちやすいとも言える。アップルのMacBookなどもそうだが、PCの世界では、新品購入時はよくても、一定期間使い込んだ後には不可避となる傷や汚れまで考慮に入れたデザインというのは少ない気がする。