SharePointの用途としてもっとも多いのが、ポータルである。実際、SharePoint 2003 までは、正式名称は SharePoint Portal Serverという名前だった。BP研究会会員企業の状況を見ても、全体の9割前後の企業はSharePointでポータルを構築している。
さて、SharePointに限らないが、ポータルとは、つまりポータルに求められる要件とは何であろう?それはひと言でいうと、社員が見たい(あるいは社員に見せたい)情報に、はやく確実にアクセスできるようにすること、つまり「情報アクセスを最適化すること」である。
では「情報アクセスの最適化」を実現するには、どのような機能があればよいのだろう?一般的には、下記の4つの機能が求められている。
- ナビゲーション
- ・サイト間ナビゲーション:初めてアクセスしてきた人(たとえば新入社員)でも、目的のサイトへ無理なく移動できる、迷子にならない
- ・サイト内ナビゲーション:サイト内で目的のコンテンツへ無理なく到達できる
- 重要情報のプッシュ
- ・ユーザー(社員)が見たい、あるいは見せたい情報が自然に目に触れるよう、トップに表示する
- ・新着情報については、人手をかけずとも自動的に更新される
- 検索
- ・既知の(存在しているとわかっている)情報に、ナビゲーションをたどるよりも早く到達できる
- ・未知の(あるかどうかわからないが)キーワードから関連するコンテンツを効果的に引き出すことができる
- データストア
- ・ポータルが表示するコンテンツを実際にストア(保管)しておく
- ・ニーズに応じてビューを変えたり、持たせるプロパティを追加したりといったことが設定できる
SharePointはもちろん、そうした「あるべきポータル」を簡単かつすばやく構築するのに便利な機能を備えている。以下、ごく概要ではあるが解説していこう。ただし、情報アクセス最適化の4番目にあるデータストアについては次回で詳述する。
サイトはSharePointの基本
外形的にいうと、SharePointはツリー状につらなった「サイト」で構成されている。サイトとはざっくり言うとWebの1ページのことだ。
SharePointの特徴は、URLが物理的な構成ときれいに一致していること。つまりURLを見れば今自分がどのサイトの下にいるのか、というツリー構造が一目瞭然である。
SharePointは、ツリー構造を複数持てる。これを「サイトコレクション」と呼ぶ。コレクションとは「集合体」の意味だ。
ちなみに、サイトコレクションつまりツリーをいくつ持つことにするかは、かなり重要な意味を持つ。というのは、ツリー内でのサイトどうしの連携は比較的強いが、ツリーがわかれると連携は相対的に弱くなってしまい、連携できない項目がほとんどだからだ。
(次ページ、「グローバルナビゲーション(トップリンクバーとパンくずリスト) 」に続く)

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