企画部門視点で基本機能からアドオンまですべてを解説
ポータルやコンテンツ管理ならSharePointにお任せを
2010年03月18日 09時00分更新
ビジネス・プロダクティビティ研究会(BP研究会)について
ところで、なぜリアルコムがこの記事を執筆しているのか?との疑問を持たれる方もいらっしゃると思う。筆者の所属するリアルコムは、情報共有基盤の構築やナレッジマネジメントの推進など、いわゆる「情報系」分野に特化してコンサルティングおよびシステム構築を行なっている専門企業である。
さらにリアルコムでは2009年秋、「ビジネス・プロダクティビティ研究会(BP研究会)」を立ち上げた。BP研究会は、SharePointを利用している大手企業ユーザーどうしの情報交換会である(参加企業の平均ユーザー数は約9000人)。各社のSharePoint企画/運用/推進担当者が参加し、事例発表、調査研究、ディスカッションなど活発な情報交換を行なっている。いわば、SharePointに日々向き合い、その長所も短所も知り尽くした方々の集まりがBP研究会なのである。
ちなみにBP研究会が「SharePointユーザー会」とは名乗っていないのは、議論の対象がSharePoint限定ではないからだ。広い意味での「情報系」ツール、たとえばメール、ファイルサーバー、Lotus Notesなどの他システムもカバーしているし、またツール論にとどまらず、運用ルールやお作法といった広い意味での「活用推進」を含んでいる。しかし実態としては、国内唯一の「SharePointユーザーの会」であると理解していただいて差し支えないと思う。
筆者はこのBP研究会の事務局として、日々SharePointユーザー企業の企画部門の意見に接している。ただし、当連載はBP研究会の公式見解ではない。あくまで筆者独自の見解を述べているものであることをご承知置きいただきたい。
やること、やらないこと
このようなことから、この記事を通じてお伝えすること(やること)は、「あくまで筆者独自の見解に基づいた、SharePointユーザー企業の企画/運用/推進担当者の視点から見た「SharePoint像」を紹介すること」である。逆にやらないことは、「マイクロソフトの公式見解やその解説」。またシステム開発者、あるいはSIerなど「システムを作る人」の視点には立っていない。
それからもう1つ、お断りしておきたいのだが、筆者は明らかにSharePointファンである。さまざまな欠点があることは承知の上だが、それでも依然としてSharePointは現時点および近い将来において非常に優れた製品であると確信しているし、だからこそBP研究会のような形でSharePointに入れ込んでいるのである。
欠点をいろいろ書くのは、そのほうが読者のみなさんのためになると考えるからだ。「よいところ」だけを10個並べてられても、みなさんの心はほとんど動かないに違いない。高いおカネを出して購入する以上、「よいところ」がたくさんあるのは当然だ。しかしみなさんは長年の経験から、「落とし穴」も10個かそれ以上あることを知っている。それを聞くまではいいか悪いか判断できない、というのが普通であろう。
筆者紹介:村田聡一郎(むらた そういちろう)

リアルコム株式会社 執行役員コンサルティンググループ担当/BP研究会担当
外資系大手IT企業、米国本社駐在を経て2002年リアルコム入社。ユーザー視点に立った「仕事が楽しく、楽になる情報共有」を推進している。米国ライス大学MBA。

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