キーボードやタッチパッドの使い勝手も、R8とまったく同じである。横17mm、縦14.3mmピッチのキーボードは、従来と同じく防滴仕様となっている。全体的にしっかりとした剛性はあるのだが、さすがにキーが小さく入力しやすいとまでは言えない。好みの問題もあるが、打鍵感がペチョペチョと軽すぎるのが気になった。
液晶ディスプレーもR6から変わらず、10.4型のノングレアタイプ(LEDバックライト)を採用する。画面が小さい割に視野角は比較的狭く、上下に頭を軽く振っただけで、バックライトの明るさが極端に変わる。しかし、他者から覗き見られることを嫌うビジネスユースのモバイル利用であれば、そのほうがむしろよいのかもしれない。
ただし表示解像度は、もう珍しくなってしまった4:3比率のいわゆるXGA(1024×768ドット)表示のままである。Windows XPの時代ならともかく、Windows 7になって画面のフォントやアイコンサイズが容易に拡大・縮小できる今となっては、文字が見やすいという理由だけで低解像度のパネルを採用する意味も薄れている。1280×960ドット以上の表示パネルもほしいところである。
このサイズのモバイルにCore i7を搭載
動画もスムーズ
では、R8とR9の変更点はどこにあるのか、といえば内面である。外から見える部分が同じでも、内部は大幅に改良されている。まずCPUの違いだ。超低消費電力版とはいえ、インテルのモバイル向け最新CPUであるCore i7-620UMを搭載する。これはデュアルコア/ハイパースレディング対応のもので(OSからは4CPUに見える)、クロック周波数は1.06GHzだが、ターボ・ブーストにより負荷に応じて1コア分のクロック周波数を最大2.13GHzまで自動的に上げられる。
また、CPUにグラフィックス機能(GMA HD)やチップセットの一部機能を内蔵することで、チップセットの個数を減らし、内部基板の設計や放熱設計に余裕が生まれたという。単純に処理速度のみを比較するなら、R8に採用されていた超低電圧版Core 2 Duo SU9300(1.2GHz)よりも、1.4倍速くなっている(パナソニック発表)。
ちなみに、Windows 7のエクスペリエンスインデックス値および、ベンチマークテストのPCMark Vantageの結果は次のとおりであった。
PCMark Vantage | ||
---|---|---|
32bit版OS時 | 64bit版OS時 | |
PCMark | 3715 | 3863 |
Memories | 1997 | 2008 |
TV and Movies | 2436 | 2414 |
Gaming | 1990 | 1975 |
Music | 4016 | 4041 |
Communications | 4465 | 4569 |
Productivity | 2945 | 3319 |
HDD | 2930 | 2942 |
Windowsエクスペリエンスインデックスのグラフィックススコアが低いのは、表示解像度が1024×768ドットなのも影響している。また、テストの内容がGMA HDにうまく対応していないからとも考えられる。ちなみにWindows Media Player上でH.264を再生した場合のCPU負荷は2~5%程度、GPUの動画再生支援機能を使わない再生ソフトでは約20%程度だった。
YouTubeでのHD動画再生は、筆者宅の回線帯域がボトルネックになることもあって試すだけに留まったが、この結果を見る限り問題なく再生できそうである。これもFlash PlayerがCore i7の内蔵GPUによる再生支援に対応するようになれば、それ以上の効果が得られるだろう。そう考えると、採用する液晶パネルが1024×768ドット表示なのは仕方ないとしても、外部ディスプレー出力がアナログRGB出力だけというのはもったいない話だ。
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