動画を上げて2～3日で会社の住所がバレる
―― というのも、初めに動画を投稿したのは代理店からの依頼が減りはじめていた頃だったわけですよね。動画で会社の宣伝をしたいという思いがあったんじゃないかと。
綱嶋 少しはありましたね。ただ、最初のころはニコニコ動画も、業者が動画で宣伝するのを禁止していたので、会社の名前は出しちゃまずいだろうなと思って、個人名義でやってたところはありました。それにこう「見せてみようかな」というくらいの軽い気持ちでした。
―― あくまで趣味の面が大きかったわけですね。それまで、自分でウェブサイトを作ったりもしていたんですか？
綱嶋 本格的にやったのは、ニコニコが初めてですね。会社のサイトを作ったり、カメラが趣味なので写真を上げるサイトを作ったりというのはありましたけど、挫折したというか、長続きしませんでした。
タップのホームページ（左）と、趣味で開いた写真のサイト（右）
―― とすると初めて動画を上げたときはインパクトが大きかったんじゃないですか。
綱嶋 突然けっこうな再生数になったので驚きましたね。怖いなと思ったのが、動画の最後にステッカーを貼ったクルマでその辺を走るところがあるんですが、それで2～3日したら「ここ知ってる！」と会社の場所がバレてしまったんです。
―― それは怖い。でも動画としての評判は悪くなかったわけですよね。
綱嶋 初めはお金儲けにかかわっていると思われて、もっと叩かれるかと思っていたんです。でも、そこまでひどく荒れることもなくて。
―― 企業の誠実さが評価されたんじゃないでしょうか。
綱嶋 ははは。だといいんですけど。
すっかりボーカロイド仕様になったデスクトップパソコン。動画ではマウスが完成したシーンで「欲しい」というコメントが殺到した
―― では、リアルだと？
綱嶋 それがぜんぜん反応ないんですよね。高校でコンピューター関係の部活をやっていた仲間に聞いても、知らない。やっぱり年齢層があるのかなと。YouTubeは見てるけどニコニコは知らないとか、知っていても「2ちゃんねるのひろゆきがやってるところでしょ」という印象があるくらいで。
―― むしろネットから問い合わせが来るとか。
綱嶋 痛車関係の問い合わせは特に増えましたよ。メールも多いですし、動画を見て電話をしてくれたり。新規のお客さんを開拓するのには役立っているのかなと。
