サイボウズモバイル KUNAIの機能
サイボウズモバイル KUNAI for Windows Mobileの機能を、画面とともに紹介する。
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いわゆるホーム画面。ここからすべての機能にアクセスできるようになっている。圧巻なのは、Windows Mobileの標準機能を一切使っていない点だ。実は、メールもスケジュールもサイボウズモバイル KUNAI独自のものであり、KUNAIを使っている限り、Windows MobileのUIを使わなくても済むように=KUNAIのユーザー体験ですべての動作が可能なようになっている。たとえば、KUNAIはiPhoneのようにスムーズに動くスクロールが可能なのだが、これもサイボウズが作り込んだものだ。
スケジュール
スケジュールで便利なのは、空き時間の検索ができること。会議などの設置候補期間、そして参加者と使用施設を入力すると、自動的に空き時間を抽出してくれる。
メール
サイボウズ ガルーン2のメールシステムである「社内メール」と、Eメールの両方をサポート。社内メールでは、重要なメールを“お気に入り”として取って置けば、のちのちお気に入り一覧で参照できる。即答はできないが、必ず返事をしなければならないメールなどに使用する機能だ。
ワークフロー
“目玉機能”として紹介されたのが、ワークフローだ。決済承認や差し戻しなど、一連の手順ができてしまう。さらに、回ってきた書類に添付されているドキュメントも閲覧可能だ(そうでないと、承認もできないわけだが)。また、たとえば海外出張など決済判断が難しい期間には、代理人の設定までできる。
アドレス帳
海外出張の際に便利な、プリフィックスの付加が可能。たとえば、携帯電話のアドレス帳には「090-xxxx」と、頭が市外局番などから始まるのだが、サイボウズモバイル KUNAIの場合は、「001-81-」といった具合に、国際電話のプリフィックスが付けられるようになっている。
セキュリティ
スマートフォンは、携帯するものだけに紛失が最大の懸念事項だ。そこで、リモートから全データを消去する「リモートワイプ」などのデータ消去機能が実装されている。また、セキュリティ関連ではこのほか、アプリケーションのホワイト/ブラックリスト化や、カメラを使えなくするといったデバイス管理も可能だ。
サイボウズモバイル KUNAIの仕組み
サイボウズモバイル KUNAIは、前述したようにサイボウズ ガルーン2がないと動かない。仕組みとしては、社内LAN内に存在するサイボウズ ガルーン2とスマートフォンの間を中継サーバーが結ぶ構造となっている。だから、サイボウズ ガルーン2側には、リモートサービスマネージャーと呼ばれる通信用のプログラムが動いていることが前提だ。
青野氏は、コスト面でもPC+ケータイよりも安くすむ点、起動時間もスマートフォンのほうが圧倒的に速い点を挙げ、“隙間時間”の活用を強調する。今までは赤信号に引っかかると「オレの人生1分ソンしたぁ!」と思っていた青野氏だったが、サイボウズモバイル KUNAIを用いることで、その1分でメールをチェックでき、場合によっては返信もできるわけで、もう日本のホワイトカラーは生産性が低いと言わせない! との意気込みを語った。
サイボウズモバイル KUNAIで注目したいのは、そのUIの作り込みである。デモンストレーションを見続けていると、それがWindows Mobileのものとは思われず、むしろiPhoneのアプリを見ているようであった。実際に手にとって操作してみたが、スクロール以外のところも、使いにくさを感じる挙動は一切ない。
つまり、サイボウズモバイル KUNAIは、Windows Mobileを、iPhone並のUIに仕立て、ビジネスで使う限りにおいてはその使い勝手をキープするように設計されているのだ。サイボウズモバイル KUNAIを企画したカスタマー本部モバイル戦略部部長代理の中光章氏に「iPhoneみたいですね」と話をしたところ、「そう言われると嬉しい」との答えが返ってきた。それだけ、Windows Mobileの深い部分まで手を入れてUIを作ったのだそうだ。
発表会開始時に「Windows Mobile用」というアナウンスがなされた際には、iPhoneとAndroidばかりが取りざたされるこのご時世でWindows Mobileを展開の手始めとするサイボウズに違和感を持った。サイボウズの答えとしては「Windows Mobileは全キャリアが採用しているから」というもの。なるほどこのUIが前提であれば、Windows Mobileでも話題になって勢いも増すだろう。
それはまた、Windows Mobileの、プラットフォームとしての存在意義も向上させ得るものだと思われる。今後サイボウズモバイル KUNAIは、iPhoneにも対応していく予定だが、その場合は逆に、iPhoneのUIに縛られるという痛し痒しの事情も出てくるはずだ。
サイボウズモバイル KUNAI for Windows phoneとサイボウズモバイル Sync for BlackBerryの発売予定時期は3月末。価格は、前者は1500円/月で、後者はサイボウズ リモートサービスの利用価格に含まれている。対応環境は、両者ともサーバーにはサイボウズ ガルーン2.5.4を使用。端末は、サイボウズモバイル KUNAI for Windows Mobile phoneの場合はWindows Mobile 6.1Pro以降となっている。
また、サイボウズモバイル自体も、現在はガルーンへの対応のみだが、今後はサイボウズ Officeでの対応も行なわれるという。
なお、サイボウズでは、2月8日から6月30日まで、「dynapocket SoftBank X02T」を60日間、「docomo PRO series T-01T」、「docomo PRO series BlackBerry Bold」を30日間無償で貸し出す「試 KUNAIキャンペーン」を実施する。