PCとケータイとクラウドの間の
第3領域を目指す
クラウドデバイスについての事業をスタートさせたビッグローブは、「クラウド」をどのような環境と捉えているのだろうか。NECビッグローブ株式会社の徳間康晋氏、山本善清氏に聞いた。
「ビッグローブには『BIGLOBEゲート』という(パーソナル向けの)クラウドサービスがあります。ネット上に自分の情報(資産)を置いて、すべて見られるようにしたい、という切り口でサービスを作っています。つまり、PCやケータイやAndroid端末が同期しながら、1つのサービスが使えるようになることを目指します」(徳間氏)
それとは別にBIGLOBEのサービスであるフォトポケでは、ケータイから写真をアップすればすぐにAndroid端末に表示できるようなアプリをイメージしており、モニターサービスにも載せる予定だという。
「今回のモニターは、PCでもケータイでもない、新しいネットデバイスの体験をして頂くために準備しました。いわば、PCとケータイとの間に位置するデバイスとサービスについての取り組みです」(山本氏)
WebStationの画面サイズは7型。15~20型程度のノートPCやデスクトップPCよりは小さく、3型前後が主流のケータイよりは大きい。まさにPCとケータイの間にポジションしている。使い勝手についてもこの「間」を突いている。
「PCは操作に慣れていて使いやすいかもしれませんが、まだまだ煩雑であったり、セキュリティなどの問題が気になります。またPCの前に座って電源を入れて起動を待つ時間があり“わざわざ”という感覚が残っているのも事実です。一方ケータイは電源がつけっぱなしで手軽ですが、画面サイズが小さくパソコンで楽しむウェブとは違います。フルサイズのウェブを身近に手軽に楽しめるデバイスとしての提案なのです」(山本氏)
ビッグローブでは初めてブロードバンド回線を引くような初心者に合わせて、メニューやUIを用意し、ビッグローブのトップ、検索、ウェブリメール(ビッグローブのメールサービス)にワンタッチでアクセスできるようにした。こういう気づかいも、PCとケータイの間には重要な要素ではないだろうか。
また利用シーンも、PCとケータイの間というポジションを守ってスタートする。
持ち運べるサイズではあるが、基本は家の中で使い始めてもらう想定だという。PCデスクからリビングへ、さらにベッドやキッチンへと動きながらウェブを使う端末。いままではPCで調べた情報を印刷しなければ持ち運べなかったが、家の中で端末ごと持ち運ぶスタイルだ。
さらに隣の家、親戚の家、旅行と、持ち運ぶエリアが広がるにつれて、光回線だけでなく3Gのモジュールも含めて、プロバイダーのサービスの展開がより遍在化していくことが考えられる。
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