数が増えたActive Directory関連サービスとは?
Windows Serverのできることを学ぼう
2010年02月09日 06時00分更新
Windows Serverの役割と機能
Windows Server 2008では、ある機能や役割をインストールするとき、自動的に必要な機能が提示される。たとえば、「アプリケーションサーバー」の役割を追加すると、画面3のようなダイアログが表示され、簡単に必要な機能をもれなく追加できる。
ほとんどの役割は、複数の機能を持つ。そこで、役割を追加するときは必要な機能だけを選択できるようになっている。たとえば、ファイルサーバーは画面4、印刷サーバーは画面5のような画面が表示される。ただし、DNSサーバーのように、単一の機能で構成される役割もある。どの役割にどの機能が設定されるかはマイクロソフトが決定する。なお、役割に含まれている機能のほとんどは、独立した機能としてはインストールできないので注意してほしい。
また、DNSサーバーやDHCPサーバーは役割としてインストールするが、WINSサーバーは機能としてインストールする。WINSサーバーは、Windows NTとの互換性を保つための機能で、今後は徐々にサポートが縮小されるためであろう。
歴史あるファイルサービス
PCサーバーで、もっとも初期から存在し、現在でも一番重要なサービスが、ファイルサービスと印刷サービスである。ファイルサービスはWebベースのアプリケーション(たとえばMicrosoft Office SharePoint Server 2007)に押され気味だし、印刷サービスはネットワークプリンタの普及により、重要度が下がったと思う人もいるだろう。しかし、手軽さという点ではWindows Serverがまだまだ優位に立っている。
Windows Server 2008のファイルサービス役割は、Windowsの共有フォルダと基本的には同じである。加えて、分散ファイルシステム(DFS)を使って、複数のサーバーでファイル内容を同期することもできる(図1)。1台のサーバーが停止しても、別のサーバーに自動的に切り替わるので安心である。
また、ネットワークプリンタの普及により影が薄くなりつつあるが、Windowsにはネットワークプリンタにはない便利な機能がある。プリンタの検索機能やドライバの自動ダウンロード機能などだ。
Windows Serverに接続されたプリンタは、Active Directoryと連携することで、プリンタの属性を指定した検索が可能になる(図2)。たとえば、カラープリンタやステープラー(ホチキス)機能の有無で、自分の席からもっとも近いプリンタを発見できる。さらに、クライアントは、プリンタに接続するだけでサーバーからドライバを自動ダウンロードし、インストールする。各ユーザーのPCにプリンタドライバを配布し、手動でインストールする作業が生じないので便利である。ネットワークプリンタなのに、わざわざWindows Serverを経由して印刷する会社もあるくらいだ。
(次ページ、「名前が増えたActive Directory」に続く)
この連載の記事
-
最終回
ソフトウェア・仮想化
スナップショットとクイックマイグレーションを使ってみよう -
第34回
ソフトウェア・仮想化
Hyper-Vの仮想マシンに「統合サービス」を入れよう -
第33回
ソフトウェア・仮想化
Hyper-Vの仮想マシンのハードウェアを設定しよう -
第32回
ソフトウェア・仮想化
Hyper-Vのインストールはネットワークに注意しよう! -
第31回
ソフトウェア・仮想化
Windows Server 2008の仮想化機能「Hyper-V」を活用しよう -
第30回
ソフトウェア・仮想化
Windows Server Update Servicesの活用方法とは? -
第29回
ソフトウェア・仮想化
Windows ServerをWindows Updateサーバにしよう -
第28回
ソフトウェア・仮想化
Active Directoryと連携できるIISの認証機能を理解 -
第27回
ソフトウェア・仮想化
Windows Serverの標準Webサーバ「IIS」を活用しよう -
第26回
ソフトウェア・仮想化
Windows ServerのCAでメールを安全に -
第25回
ソフトウェア・仮想化
Windows Server証明書サービスを設定しよう - この連載の一覧へ