卒業式や入学式といったイベントや、春の行楽シーズンに向けて、各社のハイビジョンビデオカメラが出揃った。昨年は、手ブレ補正機能や低照度撮影の強化など、カメラ性能の進化が相次ぎ、大きな話題となったが、その勢いは今春のモデルでも健在で、各社とも力の入ったモデルを投入してきた。
この特集では、そんな最新モデルをピックアップして、機能や使い勝手、画質などの気になるポイントをあらゆる角度からチェックしていく。第1回は各社のラインナップを俯瞰し、ハイビジョンビデオカメラの最新のトレンドを見ていくことにする。
上位モデルの高機能を継承したミドルクラスモデルが躍進
従来のハイビジョンビデオカメラは、実売価格で10~15万円程度の上位モデルが主役で、ミドルクラス以下のモデルはコンパクトで使いやすいという特徴こそあるものの、注目度は低めだった。しかし、ハイビジョンビデオカメラの普及が進み、一般的なユーザーもハイビジョンビデオカメラを購入するようになった現在、ミドルクラスのモデルの注目度が急速に高まってきた。
これは、地デジ化を見据えた薄型テレビの普及が進んだことで、「ビデオ撮影もハイビジョン」と考える人が増えてきたこと。インターネットの動画配信でもHD画質のコンテンツが増え、しかも一般ユーザーが手軽に動画を公開できる「YouTube」もHDコンテンツに対応するなど、HD動画を活用できる場が広がってきたことが理由と言える。
これを反映し、各社とも上位モデルと同じかそれ以上の勢いで、ミドルクラス以下のモデルを充実させてきた。そして、さらにローエンドといえる実売価格2~3万円程度のより気軽なビデオカメラも続々とハイビジョン対応になった。事実上、コンパクトなデジカメ、携帯電話と競合する価格帯だ(これらについては本特集後半でまとめて紹介する)。
また、メモリー記録タイプの割合の上昇も見逃せない。記録用メモリーの大容量化と低価格化で、撮影時間も十分なものとなり魅力が増している。これが今春のモデルの大きな特徴と言える。それらの動向をふまえ、各社の最新のラインナップを紹介していこう。

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