エコ素材を多用した“VAIOらしい”ネットブック
ソニー VAIO W VPCW219AJ
ソニーのネットブック「VAIO W」も、2010年春モデルでAtom N450とWindows 7 Starterを搭載した新製品に変更された。
メモリーは1GB、HDDは160GBで、ディスプレーは液晶LEDバックライトを内蔵した10.1型ワイド液晶を採用する。10.1型ながら、画面解像度は1366×768ドットと高精細なのが魅力だ。バッテリー駆動時間は約3.5時間とされる。
サイズは幅267.8×奥行き179.6×高さ27.5~32.4mmで、重さは約1.19kg。本体カラーは店頭販売モデルが「ピンク」「ホワイト」「ブルー」、CTO方式で販売されるVAIO OWNER MADEモデルでは、それに加えて「ブラウン」「スパークリングホワイト」を選択できる。
ネットブックではあるが、VAIOシリーズの一員としてマルチメディア系アプリが充実するのが特徴のひとつ。ホームネットワーク上にあるAVコンテンツの表示や再生に利用する「VAIO Media plus」や、静止画や動画を管理する「PMB VAIO Edition」などがプリインストールされているのは、「VAIOらしさ」のひとつだろう。HD動画の編集になるとスペック的に無理があるが、デジタルカメラ写真の管理や閲覧であれば問題なく利用できるだろう。
筐体の天板や本体底面、パームレスト部分などには、CDやDVD廃材をリサイクルした再生プラスティックが使用され、その割合は全プラスティック部品の約8割に及ぶという。これにより、製造工程では従来よりも二酸化炭素排出量を約10%削減しているという。もちろん使用感を左右する要素ではないが、エコを重視する傾向にある現代では、ひとつのアピールポイントとなるだろう。
実売価格は7万円前後。ネットブックでウェブ閲覧やメールだけでなく、ある程度のデジタルコンテンツを楽しみたいというユーザーの意向に応える1台だ。
イー・モバイルまたはWiMAX通信モジュールを内蔵
東芝 dynabook UX UX/28
スタイリッシュな薄型ネットブックとして人気を博しているdynabook UXの2010年春モデルは、新Atom採用と通信モジュール内蔵により、特にモバイルノートとしての機能が強化された。
新dynabook UXは4モデルがラインナップされる。CPUにAtom N450を採用し、メモリー1GB、HDD 250GB。ディスプレーは10.1型ワイド/1024×600ドットサイズで、省電力LEDバックライトを採用、といった仕様は共通である。キーボードはアイソレーションタイプで、キーピッチ19mmを確保。ボディーサイズの限られたネットブックとしては、文字入力は快適な部類に入るだろう。
製品名 | 液晶サイズ | CPU | WWAN | バッテリー |
---|---|---|---|---|
UX/28 | 10.1型 1024×600 | Atom N450 1.66GHz | イー・モバイル | 標準 |
UX/25 | WiMAX | 大容量 | ||
UX/24 | 標準 | |||
UX/23 | ||||
UX/24とUX/23の違いはOffice Personal 2007 2年版の有無 |
大きな違いは内蔵する通信モジュールにある。「UX/28」はイー・モバイルの通信モジュール(下り最大7.2Mbps/上り最大5.8Mbps)を内蔵し、それ以外の3機種はWiMAX通信モジュール(下り最大40Mbps/上り最大10Mbps)を内蔵する。無線LAN機能も若干異なり、イー・モバイル対応のUX/28はIEEE 802.11b/g/n対応なのに対し、WiMAX対応モデルはIEEE 802.11a/b/g/n対応である。これはWiMAX対応モデルが、インテル製の「Centrino Advanced-N+WiMAX 6250」を通信モジュールとして搭載するためだ。
本体サイズは幅266.0×奥行き192.3×高さ24.2~30.8mm(標準タイプのバッテリパック31V-S装着時)。重さは標準バッテリー搭載時で約1.19kg、大容量バッテリー搭載時で約1.36kgとなる。バッテリー駆動時間は、標準バッテリー時で最大約3.7時間、大容量バッテリー時で最大約9.8時間とされている。
本体色は「スノーホワイト」「デニムブルー」「モカブラウン」「コスミックブラック」4色だが、モデルによって選択できるカラーが異なる。UX/28はスノーホワイトとデニムブルー、UX/25はスノーホワイトのみ、UX/24とUX/23はスノーホワイト、モカブラウン、コスミックブラックのいずれかとなる。
各モデルの予想実売価格は、UX/28が8万円前後、UX/25が6万円台半ば、UX/24が7万円前後、UX/23が6万円前後である。発売は2月下旬予定とやや遅い。
モバイルで使われることも多いネットブックだけに、イー・モバイルやWiMAXのWWAN通信デバイスは必須と言っても過言ではない。その点、これらが内蔵された新dynabook UXは、別途通信デバイスを選んで買う手間を省ける好ポイントとなる。
WiMAX内蔵モデルもラインナップ
富士通 FMV-BIBLO LOOX M M/G30
富士通のネットブック「LOOX M」シリーズは、2010年春モデルで丸みを帯びた新型筐体をまとった「FMV-BIBLO LOOX M M/G30」として登場した。
CPUにAtom N450、1GBのメモリーと250GB HDDを搭載するあたりは平均的なスペックである。ディスプレーはLEDバックライトを採用した10.1型ワイド/1366×768ドットで、解像度が高めになっている。
LOOX M/G30は2機種がラインナップされている。基本スペックは同一だが、Office Personal 2007(2年間ライセンス版)がプリインストールされたモデル(型番末尾が2)と、Officeは搭載せずインテル製WiMAX通信モジュールを内蔵したモデルの2機種となる。IEEE 802.11b/g/nに対応する無線LANユニットも内蔵。なおWiMAX搭載モデルは、dynabook UXのWiMAX内蔵モデルと同様にIEEE 802.11aにも対応する。
特集第4回で紹介した「FMV-BIBLO MG/G75」と同様に、タッチパッド右脇には円形の「スクロールパッド」が搭載されている。円形部分をくるくると円を描くようになぞると、ウインドウ内の上下スクロール操作が可能だ。タッチパッドで同様のスクロール機能を搭載するノートは少なくないが、スクロール操作を独立させることで操作性が向上している。
また特殊な機能として、LaVie Lightの「USB Duet」機能と同様のUSB経由データ交換機能「USBメモリー機能」を搭載している。機能や使い方はほぼ同じで、LOOX M/G30をUSBケーブルでほかのパソコンと接続すると、LOOX M/G30をリムーバブルディスクとして認識してデータ交換ができる。また、ほかのパソコンのDVDドライブをUSB接続で共有できる「DVDドライブ共有機能」も備え、こちらはアプリケーションのインストール作業などに利用できる。接続には付属ケーブルを使い、本体左側面にある「USBクライアントポート」を使用する。
本体カラーは「シャイニーブラック」「アーバンホワイト」「ルビーレッド」の3色展開。サイズは幅270×奥行き189×高さ35.2mmで、重さは約1.2kg。バッテリー稼働時間は最大約5時間で、オプションの「バッテリーパック(L)」を使えば、最大約10時間の長時間駆動が可能だ。
予想実売価格は、Office搭載モデルが7万円前後で、WiMAX搭載モデルが6万円前後。角が取れた丸みのあるデザインは愛嬌があり、ユーザーを選ばない。WiMAXも今後どんどん利用可能地域が広がっていくだろうから、この際搭載モデルを選択するのもいいだろう。
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