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動画サイトってどうなの? 儲かるの? 第2回

「コンテンツID」で広告モデルを徹底するYouTube

2010年02月02日 12時00分更新

文● 松本淳

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「広告主が出稿したい動画を選べばいい」という発想

――しかし、一方でユーザーが投稿した映像には広告主は広告を掲出することを躊躇するということはありませんか? たとえば自社の製品を揶揄する動画が人気を博す例もありますよね?

徳生 総論で考えると「広告主が求める動画は、彼らがターゲットとしたいユーザーが最も楽しんでいる動画ではないか」と考えています。各論で見れば、テレビクラスのコンテンツにのみ広告を出したい、という広告主も、とにかく若者に人気のコンテンツであればターゲットして出したいという方もいらっしゃるでしょう。

 ここでも大切なのは、多様な選択肢が用意されていることだと考えています。例えば、私たちは広告主向けに「Video Targeting Tool」を最近リリースしました。

Video Targeting Toolで「ヘアスタイル」と検索した結果。広告主は好きな動画を選んでPRが出来るようになっている

 「ヘアスタイル」という検索キーワードで広告を付与することができる動画をリストアップし、その中のどの動画に広告を表示するかという選択が可能です。リストアップされた動画を属性情報(デモグラフィー)に基づいて絞り込むこともできます。もちろん成人向けやバイオレンスが含まれる動画は年齢制限が掛かりますし、実際のところ広告主からクレームが寄せられるというケースはほとんどありません。

――デモグラフィックは日本でも注目を集めたGoogleAdPlannerと同様のロジックで抽出しているのでしょうか。

徳生 はい。それに近い仕組みと言えるでしょうね。加えて、YouTubeのアカウント情報も加味するようにしてあります。

――競合排除についてはいかがでしょうか?

徳生 出稿の際にある程度のフィルタリングができるようにはしてありますが、まだまだ改善の余地はあると思っています。AdWordsと同様、広告主が理想とするターゲットに、理想の形で広告が届くような仕組みはこれからも、おそらく永遠に開発を続けていくことになると考えています(笑)。

 北米では、いわゆるプレミアム動画を集めたコーナーも用意されています。私たちの理想は今述べたように、テレビ映像であれ、投稿作品であれ、広告とのマッチングの最適化を目指すということなのですが、現状まだ広告主からすると、オフィシャル動画だけを対象としたいというニーズがあることも認識しています。それに対する回答の一つですね。

2009年4月にオープンした北米のプレミアム動画コーナー「YouTube Shows and Movies」

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