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“穴場な検索キーワード”は当たり前のサービスだった (3/3)

2010年01月28日 15時53分更新

文●三浦たまみ

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――ネットショップのエキスパートが斬る!――

株式会社ドリームエナジーコンサルティング代表の水上浩一さんに、「安さ」をポイントにショップ展開をしていく際のポイント、特に客単価をアップするためのコツについてお話を伺いました。



“当然”と見過ごさず、“うちの強み”を徹底分析しよう!

 片岡さんは 検索連動型広告を活用する際、自店の強みである「アレルギー対応のピアス」に関するキーワードを入札して、アレルギー対応ピアスを求めている層にダイレクトにアピールすることに成功していますが、しかしながら、こうした “うちの強み”を把握しているショップは少ないのが現状です。商品に対して“プロ”である店主は、詳しく知っているがゆえに、その商品の良さ、最もウリとなる部分を「当たり前のこと」と思い込んでしまい、見逃してしまうことが往々にしてあります。


「客観視点」で、本当の強みを見つけてもらう

 自店の強みとは何だろう――。それを改めて洗い出すには、友人や知人、またはつきあいのあるネットショップの店主などの協力をお願いし、自店を客観的に評価してもらうのが有効です。たとえば彼らに、自分のネットショップで商品を購入してもらってみてください。このとき、「商品の○○の部分がよかった」と、店主が当然と思って見過ごしていたことが高く評価されることは十分に考えられます。実は、これこそが“うちの強み”である可能性が高く、サイト上でも意識して強くアピールすべき点といえるのです。

 反対に、「商品説明文が不十分で分かりにくい」「着用写真がなくて商品をイメージしにくい」などの不満も出てくるでしょう。店主としては、わざわざ書くまでもないと思っていたようなことが、顧客にとっては最も知りたかった情報だった……ということもよくあることです。たとえば、ある干物を扱うショップは、お客様から「干物ってどうやって食べるの?」「焼くってフライパンで油をひいて焼けばいいの?」という質問が来てビックリしたといいます。――「干物なのに、油をひいて焼くっていうんですよ。信じられません!」――このお店側の「信じられない」部分こそが、ユーザーが欲しがっている情報である場合が多いのです。

 このように「干物を食べる習慣がない人もいるんだ」という視点に立てば、サイト上でもただ干物を売るのではなく、焼き方、食べ方を手順を追って丁寧に説明してあげようと気づくはずです。こうした“気づき”を得て初めて、自店の本当の強みというものは見えてくるものですし、ユーザー視点に立ったサイト作りも可能となります。

 また、こうした強みを知ることが、検索連動型広告のキーワード選定の際にも活きてくるはずです。検索連動型広告は自社商品に対するニーズの把握や顧客属性の把握が明確であるほど、不要なキーワードを極力排除し、ピンポイントなキーワード、自店を効果的にアピールできるキーワードを選定できます。


水上 浩一株式会社ドリームエナジーコンサルティング代表取締役・戦略的eコマース導入コンサルタント。 1964年8月5日 東京生まれ、神奈川鎌倉育ち。オープン80日で月商1100万円等、ジャンルを問わず短期間で劇的なネットショップの売上アップ実績多数、大手企業から地域活性化まで「戦略的eコマース導入→成果」を得意とする他、複数のIT系上場企業にて人材育成研修を担当、CS向上と業績向上を実現。2005年3月よりオールアバウト「IT業界トレンドウォッチ」ガイドとして数多くの著名人、経営者にインタビューを行う他、テレビ・ラジオ・雑誌等各種メディアや全国各地での講演・セミナーなどで積極的に情報発信している。


協力:佐川フィナンシャル株式会社(http://www.sagawa-fin.co.jp/

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