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HYBRID W-ZERO3、ハイブリッドの本当の意味

2010年01月26日 11時44分更新

文● 川添貴生/インサイトイメージ

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HYBRID W-ZERO3の「HYBRID」は、PHSとHSDPAという2種類の回線を1台で使える製品のコンセプトを象徴的に示している。しかし多くの読者は、高速な通信が可能になったW-ZERO3が出たぐらいの認識だろう。ここではGoogleマップを例に取りながら、2回線使える快適性に焦点を当ててみる。

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一度に複数回線を使う、それがHYBRIDの魅力

GPS内蔵のHYBRID W-ZERO3なら、モバイルGoogleマップを使って簡単に現在地を確認できる

 「HYBRID W-ZERO3」の特徴というと、まずPHSと3Gのデュアル回線であることが思い浮かぶが、単に速いデータ通信がしたいだけなら、3Gのみでもこと足りると考える人が多いのではないか。3G回線でも音声通話は可能だし、iPhoneはもちろん、他キャリアが販売されているWindows MobileやAndroid機も3G回線のみしか搭載していない。

 それではPHSを搭載しているメリットはなんだろうか? 音声通話の品質に関しては、3G回線より高く、しかも低消費電力であること。基本料金が安く、ウィルコム同士なら定額で使える……といったメリットが思いつくだろう。しかし最大の利点は、データ通信をしながらでも、通話が問題なく行えること。ウェブ利用中の急な着信でも中断なく出られる、あるいは通話中にウェブサイトで検索して、必要な情報を得られることの利便性については意外と気づきにくい。

 前回の記事では、その一端をお見せした。WiFiSnapやインターネット共有を利用することで、HYBRID W-ZERO3そのもの、パソコンやその他の無線LAN機器(iPod touchなど)、そして通話の3つを同時に利用できる。PHS、3G回線、これに無線LANを加えた3回線は別個に使うのではなく、同時に使うことでメリットが出てくるのだ。

 また、WILLCO 03と比較した場合の強化ポイントとして、GPSの搭載も挙げられる。GPSの利点に関しては、いまさら強調するまでもないだろう。現在地を即座に把握できるため、見知らぬ場所でも不安を覚えずに移動できるのはやはり便利だ。

 このGPS機能とぜひ組み合わせて使いたいのが、Googleが提供している「モバイルGoogleマップ」だ。標準では搭載されていないが、Googleのサイトからアプリケーションを落とし、インストールすれば、Windows Mobile端末でも豊富な機能が利用できる。


GPS内蔵により活用範囲が広がったHYBRID W-ZERO3

 なぜ、GoogleマップがHYBRIDを活かせるのか? 以下具体的なシーンを想定しながら、活用例を紹介しよう。

 いまあなたは、友達と「初めて訪れる街」の「見知らぬ駅」に着いた。ここであなたはちょっとした時間を過ごすつもりだ。カラオケ店に入るか、食事でもするか。しかし、下調べは何もしていない。

 こんな状況でもHYBRID W-ZERO3があれば安心だ。あなたはポケットからおもむろに端末を取り出し、Googleマップを起動する──。

 まずGPSを内蔵しているので、現在地点はすぐ分かる。駅周辺の地図を出し、自分の位置を確かめる。

 Googleマップの便利な機能に、現在地を中心に、指定したキーワードで関連するお店やスポットを表示する機能がある。HYBRID W-ZERO3のGPSとモバイルGoogleマップのこの機能を利用すれば、現在地の近くにあるレストランを探すといったことも簡単にできてしまうわけだ。

モバイルGoogleマップで検索しているところ。近くにあるレストランを探したい、などといった場面では非常に便利だ

検索を行うと、関連した場所がこのようにリスト表示される

 具体的に見てみよう。画面左下の「検索」ボタンをクリックすると検索ダイアログが表示されるので、キーワードを入力して「検索」ボタンをクリックする。これにより、キーワードに関連する場所に赤いピンが刺さり、同時にヒットした内容がリスト形式で表示される。そこから気になる場所を選ぶと詳細が見られるというわけだ。

 さらにここで大きな意味を持ってくるのが、デュアル回線という部分である。データ通信には通常3G回線が使われるが、もう一方のPHS回線は空いている。そのためモバイルGoogleマップでデータ通信を行いながら、見つけたお店に電話を掛けて予約をするといったことが可能になる。

目的地を選ぶと、この画面が表示される。「電話をかける」を選択すると、PHS回線を使って発信される

目的地までの経路を探索しているところ。電車はもちろん、徒歩移動もナビゲートしてくれる

 さて、場所が分かって予約もできた。それでは移動しよう。その際には、経路探索機能が非常に便利だ。通話中もGoogleマップは回線につながったままなので、通話前の状態が維持されている。再度検索を行う必要もない。場所の詳細画面には「ここまでの経路」「ここからの経路」といったメニューがあり、これをクリックすると現在地からその場所までの経路を示してくれる。ベータながら徒歩移動もサポートされているので、目的地までのスムースな移動をサポートしてくれるというわけだ。

 またストリートビューも利用できるので、周囲の風景を見ながら自分の場所を確認したり、目的地に移動する途中の景色を確認することも可能。携帯端末で使うストリートビューは、パソコン以上に効果絶大だ。しかもインターフェースも使いやすい。画面下の十字キーである「Xcrawl」で移動できるため、素早く操作できるのもポイントだ。動作もなかなか軽快である。

 また移動中に、着信があっても大丈夫。PHS回線を利用して、合流してくる友達に地図を見ながら、移動先の店の名前を伝える。待ち合わせ場所に着いたが、移動先が分からない。HYBRID W-ZERO3があれば、そんなトラブルから解放される。

電車の路線図などは、地図ソフトを使うよりもインターネット上で公開されているデータを利用した方が分かりやすいことが多い。そうしたデータをPDFで保存しておけば、いつでも参照できて便利

 このようにGPS内蔵のHYBRID W-ZERO3とモバイルGoogleマップの組み合わせは強力で、日常から旅先での移動まで幅広くサポートしてくれる。HYBRID W-ZERO3を持つ魅力の一つとして、知っておくといいだろう。

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