1月25日、アバイアは昨年9億ドルで買収したノーテル・エンタープライズ事業との統合後のロードマップを明らかにした。既存のコンタクトセンターやUC(Unified Communication)製品に加え、ノーテルが展開していたアプリケーション開発環境「ACE」、ネットワークやセキュリティ機器を加えて、ポートフォリオを拡大する。
Avaya Auraを中心にした
SIPコミュニケーションを追求
コンタクトセンターとUCをエンタープライズ分野に展開してきたアバイアが、ノーテルのエンタープライズ事業をどのように吸収していくのか。注目の発表会で米アバイアのユニファイドコミュニケーションプロダクト・マネージメント兼バイス・プレジデントであるホーヘイ・プランコ氏は、まず統合のメリットとして顧客や規模、チャネルパートナーの拡大、そして中小企業向けの製品の増強を挙げた。統合後の売り上げは55億ドル強、営業利益率22パーセント、従業員は全世界で2万1000人を目指すという。また、2012年までにはアジア太平洋地域の売り上げを全社の15%にまで引き上げるという。
そして、同氏は新生アバイアのビジョンとして「SIPをベースにしたプラグ&プレイのコミュニケーション」を挙げた。現在同社が取り組んでいるのが、仮想化環境上に各種コミュニケーションアプリケーションを載せる最新プラットフォーム「Avaya Aura」である。このAvaya Auraを中心に、コンタクトセンターやUCの事業を推進していくという方向性が変わらない。しかし、今回のノーテルの買収により、アプリケーション開発や統合管理、中小企業向け製品など、いくつかの分野を補完する。「ノーテルが持っていたACE(Agile Communications Enviroment)により、アプリケーション開発が可能になる。また、コミュニケーションは音声だけではなく、ビデオの領域も拡げる」(ホーヘイ氏)という。その他、ノーテルの「CS1000」というコールマネージャもアバイアのACM(Avaya Call manager)と並行して提供されるほか、統合管理の機能やAvaya Auraへのアップグレードも提供される予定となっている。
また、ノーテルのEthernetスイッチ、VPN、ワイヤレス製品など「データ製品」に関しても継承する。ホーヘイ氏は「現状、シェアは大きくないので、ここは拡大していく。ハイエンドのコアスイッチやWAN装置、ワイヤレス機器、ブランチ向け製品などが焦点になっていく」と語る。
コンタクトセンター製品の売り上げが高い日本法人での展開に関しては、提供製品やソリューションの幅を拡げる方向性。昨年から増加傾向にある席数の少ない中規模のコンタクトセンターのアプリケーションを2割から4割に増やすほか、企業向けのIP電話やUCもシェアを5%増やしていく。