Windows Serverとクライアント用Windowsの違いとは?
Windows Serverの誕生と特徴を知ろう
2010年02月02日 08時00分更新
Windows 2000とActive Directoryの登場
Windows NT 4.0の後継として2000年初めに公開されたWindows 2000の注目の機能は、「Active Directory」だった。Windows 2000が登場した当初、マイクロソフトは「Windows NTの最大登録ユーザー数は4万人で、これでは少なすぎるためActive Directoryを開発した」と主張していた。実際には、Active Directoryは10人程度でも便利に使える。Windows 2000は事実上の日米同時販売を実現した。日本での発売は米国の翌日だったが、時差を考えるとほとんど同じだ。それまでの日本語版は英語版から数カ月遅れて発売されるのが普通だったが、Windows 2000から数週間以内のずれに収まるようになった。
続く2003年に登場したWindows Server 2003には、サーバーOSとしての目立った新機能はない。サーバーの競争は、サーバーOSではなく、サーバー上で動作するアプリケーションに移行したようだ。たとえばWindows Server 2003には、Microsoft .NETのランタイムが標準搭載されており.NETアプリケーションを動かすのに有利だとされた。
そして、Windows Server 2008が重視しているのは「ブランチオフィス(支店)サポート」である。ここでいう支店は、社員が数人から数十人程度の環境を想定している。
以上、駆足でWindows Serverの変遷を紹介した(表1)。その時代時代に何が求められていたかを理解していただければ幸いである。
Windowsクライアントとは
サーバーとペアで使うのがクライアントである。ではWindowsクライアントの歴史はどうなっているのだろう。
Windows NT 3.1で想定されていたクライアントは、Windows 3.1である。Windows NT 3.1には、Windows NT 3.1とWindows NT Advanced Server 3.1の2種類があった。Windows NT 3.1をクライアントと紹介している文献もあるが、正確にはWindows NT 3.1がメンバサーバー、Windows NT Advanced Server 3.1がドメインコントローラという位置付けである。ドメインコントローラはユーザー認証を行なう役割を持つサーバーだ。
その後には、Windows NT 3.5にWindows NT Workstationが登場し、標準クライアントとして位置付けられた。それにともない、Windows 3.1のサポートは徐々に縮小されていく。そして、Windows 2000(内部バージョンは5.0)までは同バージョンのサーバーとクライアントが同時発売された。
状況が変わったのは、2001年のWindows XPからである。Windows XPの内部バージョンは5.1だが、Windows Server 2003の内部バージョンは5.2であり、多少の違いがある。最新クライアントのWindows Vistaの内部バージョンは6.0だが、Windows Server 2008は6.1である。
サーバーとクライアントでは求められる機能が違う。OSの基本部分は同じでも、付属アプリケーションの検証の手間などを考えると、同時リリースを続けるのは難しいのだろう。ただし、このずれにより標準クライアントの位置付けが複雑になった。Windows Server 2008の標準クライアントはWindows Vistaであるが、Windows Vista登場時点でWindows Server 2008は存在せず、Windows Server 2003をサーバーとして利用する必要があった。
(次ページ、「Windows Serverの特徴」に続く)
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