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物欲AVコモノ道 第38回

臨場感がさらにアップ! ヤマハ「YSP-5100」

2010年01月25日 12時00分更新

文● 川添貴生/インサイトイメージ

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HDサラウンドはもちろん、ドルビープロロジックIIxやDTS NEO:6など多彩なサラウンド方式に対応

HDサラウンドはもちろん、ドルビープロロジックIIxやDTS NEO:6など多彩なサラウンド方式に対応

いよいよ試聴! しかし意外な落とし穴が……

 今回は、7.1chの5ビーム+2というモードで視聴した。当たり前だが、壁しかない位置から音がするのはやはり驚きで、音に包まれるサラウンド感も十分。本来ならサラウンドバックから出力される音もしっかり認識できる。

 ただ、このシステムの意外な敵は「カーテン」。そもそもデジタル・サウンド・プロジェクタという技術は、ビーム状に出力した音を反射させて音を出している。つまり、反射させる素材によって音が変わってしまうのだ。

 今回試用した部屋はテレビから見て右側がカーテンとなっており、右フロントや右サラウンドバックの音はスピーカーユニット近辺から出力されているように感じた。そこでカーテンを開いて窓ガラスを露出させ、再度調整したところ、しっかり右フロント/サラウンドバックの音が認識できた。

本体の高さや設置場所など、細かいシチュエーションを手動で設定できる

 また、部屋の形状によっても効果は異なる。たとえば部屋の中に出っ張りがあったりすると、音がきれいに反射しないといったことがある。ただ水平/垂直角度やビーム経路長、焦点距離など、細かく調整することが可能で、視聴する部屋に合わせてセッティングを追い込めるのはうれしい配慮だ。


サブウーファーの大容量化の効果は抜群

 さて、YSP-5100の特徴である、サブウーファーの大型化とツイーターの追加の効果はどうか。まずサブウーファーに関して言えば、大容量化した効果はかなり大きい。YSP-4100で物足りなさを感じていた低音域がしっかり出力されるようになり、サブウーファーなしでも十分迫力のある低音が楽しめる。

 ワンボックスで本格的なサラウンド環境が構築できるのがYSP-5100のメリットであり、サブウーファーなしでも低音がしっかり出力されるようになったのは大きいと言えるだろう。

 バランスドドームツイーターは前述のとおり、ステレオ再生時のみに利用されるユニットで、音楽再生時の音質を引き上げるためのものと言える。ジャズやポップスを聴いてみたところ、特に女性ボーカルの高音域の伸びやかさ、そしてシンバルをはじめとする乾いた金属音のキレのよさ、そしてウーファーユニットから出力される力強い中低音など、それぞれの音域がバランスよく鳴っている。これはサラウンド再生時にも言えることだが、解像感が高く、細かな音もしっかり再現されている。

「YIT-W10」(1万3000円前後)

「YIT-W10」(1万3000円前後)

YIT-W10と接続したiPodやiPhoneで音楽を再生すると、YSP側の入力ソースが自動で「iPod」に切り替わる

YIT-W10と接続したiPodやiPhoneで音楽を再生すると、YSP側の入力ソースが自動で「iPod」に切り替わる

 なおYSP-5100では、別売オプションとして「YIT-W10」を提供している。これはワイヤレスで「iPod」や「iPhone」と接続し、その中の音楽をYSP-5100で再生できるというもの。このオプションを組み合わせ、リビングでゆったり音楽を聴くスピーカーとしてもYSP-5100は便利ではないだろうか。

 テレビの前、あるいはテレビの背後の壁にYSP-5100を設置するだけでよく、あちらこちらにケーブルを引きずり回す必要がないメリットまで考えると、YSP-5100のアドバンテージは大きい。環境に左右される部分は大きいものの、手軽に本格的なサラウンド環境を整えたいと考えているのであれば、YSP-5100は間違いなく便利な1台だろう。


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