630年から834年までの200年以上にわたって遣唐使が使用していた船を再現する“遣唐使船再現プロジェクト”の記者発表がグランドプリンスホテル赤坂で行なわれた。再現した遣唐使船は、今年の5月から中国・上海で開催される“上海万博”で行なわれるジャパンウイークでのお披露目を目指している。
遣唐使船は、現代船をベースに当時の様式などを再現し、推進力には帆やオールなどを使用する。現在中国・蘇州で建造されており、4月下旬から5月上旬に完成したのち、日本に輸送され5月15日に大阪港を出航。当時の遣唐使船を建造した広島県の呉港や、遣唐使たちが東シナ海を渡るのに風待ちをした五島列島などを自走したのち長崎港に戻り、台船に乗せられて上海に輸送、6月12日のジャパン・ウイーク初日に入港式を実施する。
記者発表には、中国側のゼネラルプロデューサーで、上海万博公式PR映像の監督も務めた映画監督の陳凱歌(チェン カイコー)氏、日本古代史の第一人者である京都大学名誉教授の上田正昭氏、遣唐使として入唐した空海を主人公にした「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」の著者にして、再現される遣唐使船の名誉船長に任命された夢枕獏氏、同プロジェクト実行委員の森ビル代表取締役の森稔氏、日本側ゼネラルプロデューサーの角川歴彦氏、本プロジェクトの名誉会長の読売グループ本社代表取締役会長の渡邉恒雄氏の代理人で、読売新聞代表取締役の内山斉氏の5人が登壇したほか、経済産業省の大臣官房審議官の片瀬裕文氏も姿を見せて、同プロジェクトに向けてのメッセージをそれぞれ語った。
なお、上海万博終了後の船について、日本側ゼネラルプロデューサーの角川歴彦氏は「夢枕獏氏原作の小説を元に、陳凱歌氏が監督を務め、親善大使の渡辺謙さん主演で映画を作りたい。まだ決定していないため、“作りたい”ということで……」と語った。