意外に盲点だったFMトランスミッター
しかし、ここでまずFMトランスミッターの問題に当たった。
FMトランスミッターといえば、iPhone/iPodの音楽を車で流す際によく使われる。しかし、筆者はマイカーのHDDナビにiPod用アダプターを装着済なので、ここ数年はFMトランスミッターを使う機会はなく、どこへしまったかさえも忘れてしまった。
とはいえFMトランスミッターがなければ今回の試みは前進しないため、スピーカーと併せてオーディオテクニカの「AT-FMT9」(Amazon.co.jpで見る)を購入。元々はシガーソケットライターで給電するタイプの製品だが、USB端子も備えているということで、MacBook Proから電源を拝借して、スマートに「家庭内FM局」をスタートできるだろうと目論んでいたのだ。
しかしそこには落とし穴が。USB端子は携帯音楽プレーヤーに電源を供給するためのもので、電源の入力には対応していなかった! なんというしょーもなさ(購入前に気付けっての)!
慌てて家庭用コンセントを利用して、DC12Vの車載機器に電源を供給するDC-ACコンバータ「BC-12DC」(Amazon.co.jpで見る)を追加購入した。ようやくこれで準備は落着だ。
困難に次ぐ困難 ヒジョーに残念な結果に
実際に試した段階でも困難が襲いかかる。MacBook Proが鎮座する書斎は、バスルームから直線距離で4mほど。この程度ならFM波は届くのではないか。今、振り返るにその考えが甘かった。
iPod touchを仕込み、チューニングも済ませたAV-J122の電源をオン、MacBook Proからバスルームへと運んでいくと、2mもしないうちにホワイトノイズ大量発生。寄せては返す波の音ならいざ知らず、終始寄せっぱなしのようなホワイトノイズの音なんぞ風呂で聴いていられるか!
やむなくMacBook Proを抱えてバスルームの扉そばへ持って行く。扉を閉めるとまたホワイトノイズが発生したが、背面に格納しているフィードアンテナをあれこれ工夫したところ、少しはマシなポジションを発見。どうにか、音楽を楽しめるレベルに到達した。
これでようやく音楽を存分に……と思いきや、そこにはさらなる落とし穴が。シリコンラバーの上からでは、iPod touchのタッチパネルがほとんど反応しないのだった。
音がこもりがちなバスルームにしてはそれなりに楽しめる音質だというのに、ここまできて根本的な問題に気付くとは。何という虚しさ、やるせなさ。仕方なしに翌日からは、半ば隠居状態にある第2世代iPod nanoを引っ張り出して、AV-J122専用機としましたとさ。
※次回は1月26日(火)掲載予定です
筆者紹介──海上忍
ITジャーナリスト・コラムニスト。アップル製品のほか、UNIX系OSやオープンソースソフトウェアを得意分野とする。現役のNEXTSTEP 3.3Jユーザにして大のデジタルガジェット好き。近著には「改訂版 Mac OS X ターミナルコマンド ポケットリファレンス」(技術評論社刊、Amazon.co.jpで見る)など。
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