新たに生まれている“モバイル・ネイティブ”とは?
連載のタイトルになっている「モバイル・ネイティブ」は、ケータイの次、あるいはデジタル・ネイティブの次のキーワードとして設定している。
デジタル・ネイティブが生まれながらにネットがある世代を指しているとしたら、モバイル・ネイティブは生まれながらにケータイがある世代を指すのが適当なのかもしれない。しかしながら、このキーワードには、世代によらない意味合いを持たせることもできるのではないか、と考えている。
たとえばiPhoneの場合、学部全体に導入された青山学院大学社会情報学部の学生も、また企業として導入されたビジネスマンも使っているのは同じiPhoneだ。
授業や業務などで使うアプリはそれぞれ異なるかもしれないが、ポケットの中から取り出せばすぐにメールの読み書きができ、日本国内ではiPhone同士は(1~21時の間であれば)通話無料であり、もしFacebookやTwitterのユーザーであれば、学生であろうと社会人であろうと問わず、同じアプリで同じソーシャルメディアを使い、コミュニケーションの中でミックスされている。そんな様子の発展が2009年は続いた。
この現象は、子供用ケータイとビジネスケータイ、みたいな区別があった時代にはなかなか起きえなかったことであり、モバイル端末やプラットホーム、特にスマートフォンとそのアプリケーションが、世代を超えたコミュニケーションを取り持つ「ブリッジメディア」のような役回りを果たし始めている。
世代とは関係なく進んでいく社会変革の様子を、この「モバイル・ネイティブ」という言葉で切り取っていく、そんな連載にしていきたい。もちろんモバイル+αの最新事情をカバーしながら、概念構築していければと考えています。
引き続き、よろしくお願いします。
筆者紹介──松村太郎
ジャーナリスト・企画・選曲。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。嘉悦大学、ビジネスブレイクスルー大学でも教鞭をとる。テクノロジーとライフスタイルの関係を探求。モバイル、ソーシャルラーニング、サステイナビリティ、ノマドがテーマ。スマートフォンに特化した活動型メディアAppetizer.jp編集長。自身のウェブサイトはTAROSITE.NET。
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