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林信行が語る「2010 知っておくべき10のトレンド」【中編】

2010年01月20日 18時30分更新

文● 林信行

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5位 ウェルネス機器

Run&Walk

 デジタル技術のウェルネス(健康)への利用というと、日本ではKDDIの「Run&Walk」やシャープがドコモに提供していた脈拍センサー付きの「SH706i」、今では携帯電話事業から撤退した三菱電機が「CEATEC JAPAN 2007」にて披露した体脂肪や口臭などがチェックができる「ウェルネス携帯電話試作機」といった端末が存在していた。

 アップルとナイキのコラボレーションで誕生した「Nike+ iPod」や、2009年秋に登場した「歩数計」機能付きのiPod nanoを思い浮かべる人もいるかもしれない。

最新の第5世代iPod nanoは加速度センサーを内蔵しており、「歩数計」機能を使って歩数を計測してくれる

 だが、歩数計や脈拍センサーだけがウェルネスではない。

 ウェルネスと携帯電話の最新トレンドを知りたければ、やはり最新のソフトウェア技術がすべて勢揃い、1年半で10万本のアプリが揃ったiPhone/iPod touch用の「App Store」を覗いてみるのが一番だ。

 記録ダイエット系アプリ(食べたものや体重の変化を記録)、フィットネス・ヨガアプリ(画面上のインストラクターが、フィットネスやヨガのやり方を指導)、バイオリズムや月経周期管理のアプリ、マッサージのツボを教えてくれるアプリなど多彩なアプリケーションが揃っている。

SleepCycle

SleepCycle

 そうした中で、最近では、質の高い睡眠を得るためのアプリも登場してきた。

 パラマウントベッドが睡眠を記録できる目覚まし時計アプリの「SmartSleep」を発表したほか、振動センサーを使って眠りの浅い時間と深い時間の周期を記録して、眠りがもっとも浅いタイミングで心地よく起こしてくれる「Sleep Cycle alarm clock」(iTS)というアプリもある。いびきや寝言を記録して睡眠の質を分析してくれるアプリや、リラックスできる音や映像を見て自分を眠りにつかせるためのアプリまで登場した。

 最後の音系アプリに関しては、自然の音に人間の脳波に作用しやすい音を混ぜて、「怒りを沈める」「瞑想時の脳波に近づける」「クリエイティビティーを発揮しやすい脳波に近づける」といった目的ごとに選んで聴けるアプリも登場している。

 携帯電話でウェルネスアプリが多いのは、Nike+ iPod以降、健康情報のクラウド化が改めて評価されているからだ。サーバーにデータをアップロードすることで、他のランナーと走った距離を競い合ったり、Google マップを使って走行ルートを確認したり、体調のカレンダーと自分のスケジュールを比べたりといったことが簡単に行なえるようになる。

 今年はAndroidが本格的に普及し始める年だが、同技術を使った通信機能内蔵のウェルネス専用機器が登場するかもしれない。

 もちろん携帯電話で送信するのではなく、iPodのようにパソコンとUSBケーブルで接続し、同期してパソコン経由でインターネットに情報をアップロードするアプローチもある。米国では既に「FitBit」という歩数や睡眠の記録を行なうデバイスが、その方法を採用。発売以来、大きな注目を集めている。

FitBit

FitBit。価格は99ドル

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