StarBoardを遠隔会議で使ったら?
これまで学校での利用の多かったStarBoardだが、企業でも有効活用できる。スタンドアロンの導入でも、会議資料の紙代のセーブが実現する。
たとえば、1人当たり24枚の会議資料を16セット用意した場合、A3(20円/1枚)だと1回の会議で約7680円かかる計算になる。総務の人が見たら、これはけっこう眉間に皺のよる金額だろう。しかし、StarBoardで会議をペーパーレス化することにより、これらのコストは削減できる。さらに紙の資料を用意する事務方の手間もなくなるし、情報漏えいのリスクも減らすことが可能になる。
そして、StarBoardを各拠点に設置することで、PC経由で相互接続し、遠隔会議で活用できるのだ。
Web会議やTV会議などは、WANやインターネットの黎明期からつねに提案されてきたソリューションだが、現場で一同に会するリアル会議に匹敵する臨場感を実現するのは難しい。音声や映像がハイクオリティになっても、資料の共有や意見をまとめるホワイトボードがきちんと整備されないと、会議の機能を果たせないだろう。TV会議を導入したものの、あまり利用されず、結局出張に行っているというパターンも多い。
しかし、StarBoardのホワイトボード共有を行なえば、コミュニケーションの質を下げないで、有益な会議やミーティングを実現できる。「映像と音声のやりとりに、StarBoardを加えることで、データが効率的に共有できます。同じ資料で同期をとりながら使って、双方向で書きあって、コミュニケーションをとる。このプロセスが大きな効果を生みます」(杉田氏)という。これで現地におもむく機会が減れば、手間とコストが大幅に削減されることになる。たとえば、中国であれば、交通費や宿泊費、手当なども含め、最低でも15万円かかる。これを10回分浮かせると考えても、年間150万円のコスト削減だ。
StarBoardのメリットは、標準で遠隔会議に対応し、専用のサーバーが不要な点。「サーバーを特に用意しなくても、最大50カ所までがPCを介して、自動的につながります」(杉田氏)ということ。TV会議連携アドインソフトウェアを使うことで、自動切断やアカウントの厳密な管理、MCU(多地点制御装置)への対応も可能になる。また、主催者側が参加者のPCを制御することもでき、単純な訓話や伝達会議、社員研修、商品説明会等に利用できる。
現在、StarBoardは50/65型のプラズマ型のほか、プロジェクタを用いたフロントプロジェクション型、小型のタブレット型、そして既存のホワイトボードに取り付けるポータブル型の4つのラインナップが用意されている。「プロジェクタタイプでソフト込みで34万円くらいなので、ペーパーレスやデジタル化のメリット考えても、そんなに高くはないと思います」(杉田氏)。実際に、日立ソフトはこの方法で出張経費と無駄な印刷を抑え、コスト削減に成功している。
全タイプでソフトウェアは共通なので、前述したような多彩な機能はすべてすぐに利用できる。既存のネットワーク会議システムに不満のあるユーザーは、追加すると大きな効果が得られるだろう。
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