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林信行が語る「2010 知っておくべき10のトレンド」【前編】

2010年01月20日 12時00分更新

文● 林信行

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9位 インターネット選挙

鳩山首相

鳩山首相のTwitterアカウント

 2009年、米国のバラク・オバマ大統領(@BARACKOBAMA)は、自らTwitterをしていないことを告白した(関連記事)。翻って日本では多くの議員達がTwitterを始めている。2010年の元旦には、自ら直接ではないにせよ、鳩山首相(@hatoyamayukio)もTwitterでつぶやき出した。

 昨年の12月28日、デジタルハリウッドで「Twitter議員との今年最後のつぶやき祭り」というイベントも開催された。その場で重要なテーマのひとつとして上げられたのが、インターネットを使った選挙活動の解禁だった。

 これまで国内では、公職選挙法の関係から、選挙期間中のインターネット利用は自粛を求められてきた。一時は議員のウェイトも選挙期間中に限りアクセスできないようにすることを求めらていたが、世耕弘成議員らが「それでは選挙期間中は、議員が出している書籍を本屋から引き上げるべき」と反論して、一時閉鎖せずに済むようになったという。

 ネットの選挙利用については、反対派が「使えない人も多いパソコンやインターネットを使うことは不平等」と訴えたり、一部の保守派議員が「反保守の多いインターネットを使って選挙活動を行なうと対立政党に有利に働く」と懸念を示していた。

 ただ、ある議員によれば、そうした反対派の急先鋒は先の選挙に敗れて国会にいないため、今は事態が変えやすいという。となると、早ければ7月末の参議院選挙までに、何か変化が訪れるかもしれない。

 いずれにしても、日本は携帯電話が早くに進化しすぎたために、世界で最も進んだブロードバンドインフラを持ちながらも、パソコンを使ったインターネットの利用水準がそれほど高くない。選挙におけるネットの利用が広まることで、より民意を反映した選挙を実現するのと同時に、これまでパソコンやインターネットを使わなかった層が興味を持てば、一石二鳥かも知れない。

 これら政治に関する議論は、現在もTwitter上で「#twseiji」のハッシュタグで続けられている。


筆者紹介──林信行


林信行氏

林信行氏

 フリーランスITジャーナリスト。「iPhoneショック」(日経BP)の筆者。大学や企業で講演をしたり、製品/技術開発のブレインストーミングに参加することも多く、製品コンサルタントとしての顔も持つ。ジャーナリストとしては、デジタル技術によって変わる人々のライフスタイルやワークスタイルに大きな関心を持つ。ハード、ソフト、ウェブの技術だけでなく、アートやデザイン、コンシューマーやIT系企業の文化についても取材/執筆活動をしている。

「MACPOWER」「MacPeople」元アドバイザー。著書に「スティーブ・ジョブズ ー偉大なるクリエイティブディレクターの軌跡」(アスキー・メディアワークス)、「アップルの法則」(青春出版)、「アップルとグーグル 日本に迫るネット革命の覇者」(共著、インプレスR&D)など。自身のブログは「nobilog2」。




※8〜4位までを発表した中編はこちら



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