便利なユーテリィティーにも魅力
AVコンテンツの視聴に関しては、まずは「Arcade Deluxe」を利用することになるだろう。DVD再生はもちろん、YouTubeや静止画の視聴、DLNA再生まで1本でこなせる統合視聴ソフトだ。
サイバーリンクがAspire用にカスタマイズして提供しているもので、機能は比較的シンプルにまとまっている。特に意識せずに、ホームネットワーク内にあるDLNA対応のNASやパソコン、AV機器のコンテンツ視聴ができてしまった点には感動した。DTCP-IPには対応していないようだが、今後アップデートなどで対応してもらえるとさらに嬉しいのだが……。
DVD視聴に関しては、Windows Media Playerなどでもこなせる。必要に応じて使い分けるといいだろう。
AVノートとしてはエントリーと言ってもいい価格帯だが、プレインストールソフトもツボを押さえてあり、豊富だ。使ってみて特に便利に感じたのが「Acer Grid Vista」。
ノートパソコンの解像度も高くなったが、ウィンドウをたくさん開くと乱雑になって作業効率が下がってくるのは、読者も経験していると思う。しかし、このAcer Grid Vistaを利用すると乱雑なウィンドウをきれいに整頓して並べられるのだ。Windowsにも「上下に並べて表示」や「左右に並べて表示」といった機能が搭載されているが、Acer Grid Vistaを利用すると、1つ目のウィンドウは左半分全体に表示、さらに2つ目と3つ目は右半分に上下に並べるといったこともできる。
これはWordなどで文章を書きつつ、動画やウェブを「ながら見」したい時などに便利。作業用の文章は画面半分を使って大きく表示し、DVDなどの動画は右上に小さく、さらにその下にブラウザーも小さくといった配置が手軽にできる。整頓方法も簡単で、ウィンドウを決められた領域にグリグリとドラッグするだけ。そうすると、ウィンドウが自動的にリサイズされ、決まった位置に吸い込まれるように収まる。ウィンドウを半透明にするボタンもあり、下に重ねたウィンドウの内容も確認に簡単できる。
また、バックアップ機能(AcerBackup Manager)がワンボタンで呼び出せるほか、アプリケーション起動ボタンも持つ。ここは少し工夫して、よく使うアプリケーションを登録したランチャーが表示されるようにしておくといいだろう。
アプリケーション起動ボタンはあまり使わないという人も多いかもしれないが、使いにくさの原因のひとつに単機能しか割り当てられない点があると思う。ボタンは1つで5個なり、10個なり登録できる方式のほうが便利に感じる。使っていくうちに増えすぎてしまうスタートメニューに並んだアプリケーション。ランチャーアプリはフリーソフトなどでも多数あるので、ここに登録し、必要な時に呼び出せるようにするといいのではないか。
パソコンでのAVがさらに楽しくなるAMD VISION
このように、Aspire 5542は、AMD VISIONにいち早く対応し、バランスのとれた性能を手に入れやすい価格で提供する、価値の高いAVノートである。液晶ディスプレーの品質と音質も高く、Windows 7で強化されたマルチメディア機能を体験するのに適したノートと言えるだろう。
本体サイズは幅383×奥行き250×高さ37mm。重量約2.8kgと常に持ち運ぶ種類の製品ではないが、ACアダプターは小型。机やベットの上など、使う場所を移動しながら、映像や音楽を楽しむといった用途なら差し支えないサイズだ。
キーボードのうち心地、音や映像の美しさに関しては、実際に触れてもらうのが一番。この記事で興味がわいた読者は、ぜひ店頭で体験してほしい。
Aspire 5542の主なスペック | |
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CPU | Athlon™ II M300(2GHz) |
メモリー | 2GB(PC2-5300、空きスロット×1) |
グラフィックス | AMD M880Gチップセット内蔵(ATI Radeon HD4200) |
ディスプレー | 15.6型ワイド 1366×768ドット |
ストレージ | HDD 320GB(5400rpm) |
光学式ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
通信機能 | 10/100/1000BASE-T、IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 2.1+EDRなど |
サイズ | 幅383×奥行き250×高さ37mm(最薄部26mm) |
質量 | 約2.8kg |
OS | Windows 7 Home Premium 64bit正規版 |