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ホットなCULV機に、クールな1台が登場

ASUS UL20Aに見る、モバイルへのこだわり

2010年01月09日 11時00分更新

文● ASCII.jp編集部/後藤宏

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ASUS Cool Designなど、使い勝手にも十分な配慮

 UL20Aの特徴のひとつに「ASUS Cool Design」と名付けられた冷却機構がある。

 簡単に言うと、CPUなど発熱しやすい部品を後方にレイアウトし、不快なパームレストの発熱を抑える仕組みだ。エアフローは底面から吸気し、ファンを使って側面に逃がす仕組みになっている。バッテリーはさらにその奥に配置しており、使用時にはキーボード面が緩やかにチルトする。

側面からみると薄さが際立つ。金属の天版とは対照的に側面は光沢感のあるアクリル素材だ

 実際に使用すると、CPUに近い左側の吸気口付近に発熱を感じるが、ここは使用時に頻繁に触る場所ではない。一方で底面やパームレスト部分は温度が上がらない。最近では、コスト削減のためか、こういった基本的な配慮が足りない製品も散見されるが、本機はこのあたりにしっかり取り組んでおり、好感が持てる。

 キーピッチもフルサイズを確保しており、十分にゆとりがある。レイアウトにも違和感がない。ストロークは2mmと若干浅めだが、打鍵時にキーがぐらくことはほとんどなくなかなか快適だ。キートップに適度なザラ付きがあり滑りにくい点も操作感の向上に一役買っている。

 タッチパッドはパームレストと一体化したタイプで、表面に細かい球状の(ディンプル)加工が施されている。マルチタッチにも対応しており、Internet Explorerなどを使用している際に、二本の指を置き左右に開閉(いわゆるピンチ操作)すると、画面の拡大縮小ができる。ふちをなぞるように動かせば上下左右にスクロール、左上から右下に対角線でなぞるとウィンドウを透明化するといったSynapticsドライバー/Windows 7標準機能を利用したジェスチャー操作が豊富に利用できる。

CPUの熱は、左側面から排出される。手の触れる部分には極力熱を出さない

 静穏性にも配慮されており、ベンチマークなど特別な負荷をかける処理を実行しない限りは、動作音をほとんど感じない。深夜の自室など環境音が極端に少ない場合を除けばほとんど気にならないのではないだろうか。

 フラットな天板に加え、底板にも不必要な突起は少なく、ゴム足と吸排気口、スピーカーなど最小限にとどめられている。奥から手前にかけてなめらかなカーブがあしらわれており、小脇に抱えてもつ際のバランスもいい。ACアダプターも9×3.5cm程度と非常にコンパクトで、カバンなどにも収納しやすそうだ。


期待にこたえる基本性能

 このように使い勝手やボディーデザインに徹底的にこだわった設計のUL20Aであるが、魅力はこれだけではない。スペック面でも十分にこだわった仕様となっている。

CPUにはCeleron SU2300(1.2GHz)を採用する。エクスペリエンスインデックスの値は3.3と、Windows 7を使用するのに十分な性能

 まずはCPU。Celeron SU2300(1.2GHz)を搭載している。キャッシュメモリーが1GBと若干少なめである点、消費電力が若干高めである点がCULV版Core 2 Duoとの違い。とはいえ、デュアルコアのCPUであり、仮想化技術のIntel VTにも対応。上位エディションのWindows 7にすれば、XPモードの利用も可能だ。基本的な設計はCore 2 Duoと変わらない。

 過去のCeleronシリーズと比較しても、価格と性能のバランスがずば抜けている。コストパフォーマンスが高い良品のCeleronである。

 実際に「CrystalMark 2004R3」でパフォーマンスを計測してみたところ、総合スコアで「45813」をマーク。CPUの性能を示す「ALU」項目では「12656」ポイントをはじきだした。これだけの性能があれば、画像や動画を多用したPowerPoint文書なども快適に編集できるし、デジカメのRAW現像処理も快適。GPUにはH.264動画の再生支援機能が内蔵されているため、ネット上にあるハイビジョン動画やHDDに取り込んだAVCHD動画の再生など負荷のかかる処理も十分にこなせる。

総合的にパフォーマンスを示す“Mark”項目で“45813”を記録

 搭載メモリーは標準で2GBだが、空きスロットにPC2-6400対応のSO-DIMMモジュールを追加することで、最大4GBの搭載が可能だ。OSには64bit版のWindows 7 Home Premiumを採用しており、4GBの容量をフルに扱える点も魅力と言えるだろう。Windows 7世代では64bit化が急速に進むと予想されるので、新OS導入のタイミングでいち早く64bit OSに触れる価値は高いだろう。

 このようにUL20Aは、ウェブブラウズやメールといったごく基本的な用途だけではなく、幅広いシーンで活躍できる基礎体力を備えているのだ。

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