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田嶋校長のワンポイントアドバイス
B2Bビジネスを広げるネットショップの可能性
田嶋節和
株式会社サーフボード代表取締役/Webマスタースクール校長
卸売業や製造業など、従来はB2B型のビジネスと考えられていた企業でも、ネットショップであれば比較的低コストで小売に進出できます。とはいえ、漫画にあるように「うちは企業相手のビジネスなので、ネットショップは関係ない」と考える経営者もいるでしょう。
しかし、ネットショップを始めとするB2C向けサイトを立ち上げるメリットは、直接的な売上とは限りません。B2Cサイトによって企業や商品のブランディングが成功し、結果として本業のB2Bビジネスを拡大した例も数多くあるのです。
たとえば当社がお手伝いした金属加工業の企業では、個人としてサービスを利用した大手メーカーの技術者が、加工技術の実力を認め、後になって企業としての取引を申し込んできた事例がありました。企業の担当者があえて会社名を伏せてネットショップを利用し、品質・技術・対応がよければその後、正式に会社として取引が始まることも珍しくありません。
ネットショップに限らず、Webサイトはオープン後が勝負のしどころです。お客様に信頼され、取引拡大につながるWebサイトに育てるために、Webマスターが心がけたい運用のポイントを紹介しましょう。
Webマスターが心がけたい運用のポイント 10カ条
- 1. 日々のアクセス数、問い合せ数、改善案を管理する
- 日々のアクセス数や問い合せ数、SEO対策の結果をExcelなどでこまめに記録し、改善に役立てましょう。
- 2. 情報更新はできるだけこまめに
- お店や会社は毎朝掃除するものです。Webサイトの場合も、いつも新しい情報を発信するよう新着情報、トピックスなどを掃除(更新)してください。掃除をしない会社にお客さまは来ません。
- 3. クレームはアナログ対応、電話で即時に
- WebやE-mailからクレームが届いた場合は、速やかに返信メールを出し、相手先の電話番号がわかれば直接電話対応してください。メールのみで対応しようとすると、誠意や感情の部分が伝わりにくいため、こじれる可能性があります。
- 4. 問い合わせへは常にていねいに
- B2Bサイトの場合でも、個人のお客さまから問い合せなどが入るようになると、その後企業からの問い合せへと発展する場合があります。個人の問い合せにもていねいに対応してください。
- 5. 豆知識・FAQの整備は社員や社外の協力を得て
- 豆知識・FAQなどのコンテンツをWebマスター1人で作成・更新するのは困難です。社内のスタッフに応援を頼んだり、大学研究機関の専門家にお願いしたりして、豊富で正確なデータベースを築き上げてください。
- 6. 感動を与えるスピーディなメール対応
- WebやE-mailによる質問には、遅くても24時間以内に対応しましょう。最近では、数分で返事を出せる体制をとっている会社も多くなっています。早ければ早いほど相手に感動を与えるものです。
- 7. 潜在顧客獲得のための効果的なメルマガ発行かブログ作成
- 潜在顧客を確保するためにもメルマガを発行するかブログを作成してください。最初のうちは不定期でもかまいませんが、徐々に定期化してください。
- 8. ネットを使った口コミによる顧客獲得
- 異業種の仲間が参加する掲示板やフォーラム、メーリングリストなどでWebサイトの評価が話題になることで、問い合せが入ることがあります。ネットを介した異業種交流などに積極的に参加し、さりげなく自社サイトをアピールしてください。
- 9. 情報共有はメーリングリストを活用
- 部門やプロジェクトごとにメーリングリストを立ち上げると、メンバー同士の情報共有が非常に便利です。社外の人間の場合は、集まって会議する必要がなく合理的です。
- 10. ログ解析とSEO対策+競合サイト調査で定期的な評価を
- 日々の記録の結果を3カ月ごとに棚卸し、サイト解析とSEO対策の見直しを実施してください。あわせて同業他社がサイトをリニューアルしていないか調べ、参考にしてください。