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松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」 第100回

ケータイの“ミクロな魅力”とは、なんだったのか?

2009年12月28日 12時00分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

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ミクロな魅力はキッカケになる!

 今ケータイを選ぶと契約の関係上、2年の間、常に身につけて人生をともにすることが前提となる。その場合、注目すべきは「ミクロな魅力」ではなく「総合力」ではないかという指摘もある。確かにその意見ははごもっともなのだが、実は案外そうでない部分も大きいようだ。

 最近iPhoneアプリについて、おもしろい現象が身の回りに起きている。その人にグサっと刺さる機能やアプリを紹介すると、その機能やアプリを使いたがためにiPhoneに機種変更してしまう人がいるのだ。

 先日取材を行なったナイキでは、iPodやiPhoneとジョギングシューズを連携させて音楽を楽しんだり、情報を提供してくれる「Nike+」のほかに、サッカーシューズと連動させたコンテンツ「ナイキフットボール+プレゼンツ マスターコントロール」を提供している。世界のトップクラスの選手やコーチが出演/監修する練習をサポートする動画+ドリル教材のアプリである。

ナイキが提供するサッカー練習用コンテンツ「ナイキフットボール+プレゼンツ マスターコントロール」。練習のメニュー作成とともに、スタープレイヤーがビデオに出演してコーチしてくれる

 サッカーを練習する人向けに、シューズとiPhoneでより個人のパフォーマンスを高めようというテーマなので、おそらくは中高校生がターゲットの中心となるだろう。しかし彼らの多くがiPhoneを持っているかと言えば、そうではないだろう。しかし、サッカー好きで休日フットサルをプレーしている人や、子供たちにサッカーを指導するお父さんの間で話題になっているとのことで、これはナイキのスタッフにとっても意外な反応だったそうだ。

 そして、このアプリを使ってみたいという形でiPhoneに移行するという流れが起き始めているようだ。同じ現象はサッカーのほかにも、Twitterをもっと使いこなしたいという人、Style.comやファッションブランドのアプリを並べたい人、レシピやキャラベンなどのアプリをそろえたい人、ダイエットしたい人にも起きている。

 理由は人それぞれかもしれないが、欲しかった機能をかなえてくれるアプリが利用できて、それが“渇望”していた機能だったらケータイを機種変までするのだ。au「Smart Sports」を最大限活用できる端末である「Sportio」のように(関連記事)、コンパクトで画面もテンキーも小さいながら、ジョギングに連れていくにはぴったりのケータイ、というキャラクターは“有り”なのだ。

「Sportio

auのスポーツ特化型端末「Sportio」。今夏には後継となる「Sportio water beat」も登場している

 魅力が際だったケータイ、ターゲットやキャラクターがハッキリしたケータイは、選ばれるきっかけにもなっているようだ。

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