GeForce GTX 275のオーバークロック
まず、GeForce GTX 275搭載ビデオカードを使って、オーバークロックを試してみよう。ここでは、EVGA製のGeForce GTX 275搭載ビデオカードを利用したが、この製品は、オーバークロックモデルであり、コアクロック648MHz、メモリクロック1188MHz、シェーダクロック1458MHzで動作している。GeForce GTX 275の定格クロックは、コアクロック633MHz、メモリクロック1134MHz、シェーダクロック1404MHzであり、すべてのクロックが定格よりも高い。
EVGA製GeForce GTX 275搭載ビデオカードのオーバークロック結果は、下の表のようになった。まず、コアクロックとメモリクロック、シェーダクロックのどのクロックを上げるのが一番性能向上に貢献するかを調べるために、コアクロックのみを10%上げた状態、メモリクロックのみを10%上げた状態、シェーダクロックのみを10%上げた状態のそれぞれについて、3DMark VantageのPerfomanceモードとラストレムナントベンチマークの1280×720ドット時のスコアを計測した。なお、メモリクロックを10%上げた状態では、ラストレムナント実行時に画面にノイズが入ったり、3DMark Vantage実行中にエラーが起きて結果が表示されなかったりしたが、冷却を手動にし、ファンの回転数を100%にしたら、画面の乱れもなくなり、3DMark Vantageも完走した。
3DMark Vantageとラストレムナントでは傾向が異なっており、3DMark Vantageでは、シェーダクロックを上げたときが一番大きくスコアが向上しているが、ラストレムナントでは、コアクロックを上げたときが一番大きくスコアが向上している。そこで、コアクロック、メモリクロック、シェーダクロックのすべてを同時に10%上げたところ、3DMark Vantageもラストレムナントも描画が大きく乱れ、正常に動作しなかった。いろいろ条件を変えてテストしたしたところ、コアクロックを706MHz、メモリクロックを1295MHz、シェーダクロックを1618MHzにしたときが、両ベンチマークが完走した中で、最もスコアがよかった。出荷時の状態と比べると、コアクロックとメモリクロックはともに9%向上、シェーダクロックは11%向上したことになる。もともと、オーバークロックモデルだったこともあり、マージンは1割程度しかなかった。
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