画質については標準的だが、価格を考えれば十分
画質についても軽く触れておこう。もともと、本機は同社のミドルクラスモデル「MXWシリーズ」がベースとなっており、高画質エンジンなども最新ではあるが、普及モデル向けの「DIAMOND ENGINE VII」となっており、光沢パネルも採用していない。
とは言うものの、一般的なテレビ視聴で不満を感じることはない。画質的にはやや明るめで、くっきりとした映像の再現が可能だ。少々気になるのは、上位モデルに比べると背景の細かいディテールがぼやけがちになること。これは、情報量の多いBDソフトなどを見ると気付く部分で、デジタル放送ではほとんど気にならない。BDレコーダー内蔵で実売価格が20万円前後という価格を考えたら、十分な実力だろう。
さらに付け加えれば、三菱のモデルの中では唯一の「アクトビラビデオ・フル/ダウンロード」対応モデルでもある。「アクトビラ」のニュースやショッピングサービスの利用はもちろん、動画のストリーミング再生、「TSUTAYA.TV」のダウンロード視聴も可能。当然ながら、購入したダウンロードコンテンツはBDにダビングすることもできる。
三菱の薄型テレビは、ネットワーク機能は潔く割り切っているのがひとつの特色なのだが、本機だけはBDレコーダーの全機能を盛り込もうという意欲を感じる。事実、同社の普及価格帯のBDレコーダー「DVR-BZ130」でできることはすべて行なえる。
ラインナップが32V型と37V型の2つという点は、個室やベッドルームなどの2台目用という需要も狙っているのだろう。たしかに、個室でも使いやすいサイズでBDレコーダー内蔵というのは購入欲を刺激される。
とはいうものの、個人的にはせっかくのBDレコーダー内蔵なのだから、最上位モデルの画・音質を備えた40V型以上のリビング向けモデルが追加されても良いと思った。
このモデルの成功で、おそらくは他社も追従してくると思われる。そのとき、BDレコーダーはよりサーバー的な性格へシフトしていくなど、新しい展開も期待できる。ただの「録画テレビ」ではくくれない可能性を感じるモデルだ。