ニッシーさんのベスト3
3位:「Kindle for iPhone」のリリース
ニッシー:3位はアマゾンが出した「Kindle for iPhone」(キンドル)の日本版ですね(iTunes Storeで見る)。これはすごい。
カリー:Kindle本体も日本で買えるようになりましたよね(関連記事)。
ニッシー:そうね。というか、まずKindleの話がランキングに入っていない君らに問いただしたい。われわれは何でメシを食っているんですか? 出版業でしょ。
くじら:すいません(笑)。
カリー:うちらの1〜3位を全否定ですか(笑)。
ニッシー:電子書籍用の端末は、過去にいろいろ出てきたけど結局根付かなかった。でもKindle for iPhoneは、iPhoneのインターフェースのよさもあって「まだこれはアリだな」と思わせる使い勝手なんですよ。iPhoneではKindleだけじゃなくて、電子書籍も数多くリリースされているし、新聞だって「産經新聞」や「あらたにす」とかが出ている。
個人的には、今後、何かを読むメディアとして定着していくのは、電子書籍用のハードじゃなくて、ケータイとかスマートフォンなんじゃないかなと思っています。でも、ケータイ電話は画面が狭いから、使うならiPhoneじゃないかと。
カリー:なんかニッシーさん、酔うといつもと違う!
ニッシー:かっちりと情報が固められた書籍のようなコンテンツの価値はまだあると思うんですよ。でも、いままで本は書店にいかなければ手に入らなかったし、ネットで買うにしても注文だけっていうのが主流だった。それがiPhoneで欲しいときにすぐに手に入るようになったというのは、大きな進歩ですよ。
これから出版社は、iPhoneのようなデバイスに対応していかなきゃダメだと思います。特に洋書が読みたい人は、もう完全にKindleだけでもいいわけです。
カリー:iPhoneでも画面が小さくないですかね?
ニッシー:出版社にもよりますけど、文字を大きくできますよね。おじいちゃんおばあちゃんにも優しい。
カリー:書籍はいいかもしれないけど、雑誌は紙に比べると、一覧性が劣るよね。
ニッシー:まぁそういう一覧性が欲しい人は、紙を買えってことで、単に情報を得るならiPhoneでもいいのかなって。アマゾンが偉いのは、ハードとしてKindleを売っているのに、ソフトとしてもiPhoneにKindleを出したところですよ。「本が売れればいい」という本屋としてのスタンスがきっちりしている。未来が詰まっていていい話だと思います。
2位:やっぱり「BB2C」はスゴかった
ニッシー:2位は何にしようか決めかねていたんですが……。2ちゃんねるブラウザーの「BB2C」が便利だったって話かな。
カリー:えええ。さっきと順位が逆じゃないの!?
ニッシー:iPhoneのいいところを考えたときに、一番にくるのはコミュニケーションツールとしてのよさだと思うんですよ。飲み会の席でうっかりジョークアプリを披露して、「寒いコイツ」と思われるのがiPhoneじゃない。
カリー:またアナタは、自分たちでやった記事を全否定するし(関連記事)。
ニッシー:いやいや。あれって「iPhoneはコミュニケーションのネタを得るために使えって」話ですよ。情報をすぐに引き出せるってのがいいところなんです。BB2Cは、今年、大きな思い出があったんですよ……。
くじら:何ですか?
ニッシー:某大型販売店が新規に出店した際、オープニングセールとしてノートPCや家電が特価で売られたことがあったんですよ。で、たまたま僕は店の近くにいたので、「じゃあ並ぼうかな」と思って行ってみたら、平日の午前1時にも関わらずズラーっと人が並んでいた。お前ら明日、仕事に行く気ないのかと。
カリー:いやいや、自分自分(笑)。
ニッシー:僕はノートPCが欲しかったんです(キリッ)。でも前後に並んでいた人と話していると、どうも並んでいる全員が全員、同じ150台限定のノートPCを狙っているようだという結論になった。僕は190番台だったので、手に入らない可能性がでてきたんです。そこで「分かった、調べてみる」と、iPhoneを取り出したと。
くじら:できるビジネスマンみたいになっているんですが。
ニッシー:BB2Cで該当する2ちゃんねるのスレッドを探してみると、どうも過去のオープニングセールでも同じようなノートPCが狙われていたという話があったと。この時点で買えない可能性があるというのが分かったんです。
という話をしたら、後ろの人は「これはダメだ」と午前2時くらいの時点で撤退して行った。一方で、前に並んでいた人は「そんなことないんじゃないの?」と残ったという。
くじら:ニッシーさんはどうしたんですか?
ニッシー:僕はですね、疑り深い性格なので「本当かな? 朝までいなきゃ分からないじゃん」と思って、帰らないことを固く決意したと。そして電撃文庫などを読みながら、待っていたわけです。
カリー:結局、どうなったんですか?
ニッシー:朝、整理券を配ったときに、僕の15人くらい前でノートPCは終わりました。「やっぱBB2C、正しかったなぁ」というお話です。
カリー:ええええ。終わりかよ。
くじら:それはBB2Cじゃなくて、2ちゃんねるがスゴいって話では……。
ニッシー:違います(キリッ)。iPhoneだから調べるのが早いんですよ。
1位:「バリバリ」「ヤメテー!」
カリー:じゃあ1位。
ニッシー:僕は今、ネットの部署にいるんですよ。だからネットの流行には敏感じゃなければいけない。1位はこれしかないでしょ(関連記事、iTunes Storeで見る)。
(バリバリ)
カリー:ええええ。
ニッシー:ASCII.jpの記事を見て、すぐにダウンロードしたんですよ。でも、これはすごい。
くじら:どう発展させればいいんですか、この話題(笑)。
(バリバリ)
カリー:無理に「オチ担当」とかしなくてもいいですから。
(ヤメテー)
ニッシー:いやいや、まだ話は続きますよ。このアプリをですね、付き合いの長い友達に見せたんですよ。そうしたら、最初に会ったときに、僕がマジックテープのサイフを使っていたといいやがるワケです。
くじら:なんと!
ニッシー:当時、支払いのときにマジックテープの財布を見て「ヤメテー」と思ったので、すごく気持ちが分かるとか言われて、ヘコんだという。
カリー:まぁそんな俺の小銭入れもマジックテープなんですが。
(バリバリ)
ニッシー:「ヤメテー」と思われたことが「ヤメテー」という。僕の心に深く傷を残したiPhoneアプリなので、1位として推したいです。
(ヤメテー)
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