今回はチップセットロードマップの話はお休みして、2009年11月11日(現地時間)にAMDが開催した「Financial Analyst Day」で公開された内容から、AMDの2010年~2011年のロードマップを簡単にまとめてみたい。
今年のFinancial Analyst Dayでの大きな目玉は、次世代のCPUコアである「Bulldozer」「Bobcat」コアに関して、若干ながら詳細が公開されたこと。それと第1世代のFusion製品のアナウンスがあったことだろう。それぞれにいろいろ話題は尽きないのだが、まずはサーバー向けから語ろう。
2011年には12~16コアのInterlagosがハイエンドに
上の画像は、2008年11月のFinancial Analyst Dayで公開されたロードマップである。「Shanghai」ベースの4コアCPUと「Istanbul」ベースの6コアCPUの2つの製品は、引き続き現在の「Socket F」ベースで供給されるのに加えて、新しく「Socket G34」と「Socket C32」のプラットフォームが作られる。
G34用CPUは8~12コアの「Magny-Cours」コアとなるが、こちらはDDR3対応となったShanghai/Istanbulを2つ搭載して、その間をHyperTransport Linkでつなぐ構造のMCM(Multi Chip Module)タイプのCPUである。
一方C32は現在のSocket Fの延長で、同じくDDR3対応となったShanghai/Istanbulコアをひとつ搭載するCPUとなる。前者がOpteron 6000シリーズ、後者がOpteron 4000シリーズとして投入されるという話は、連載第8回で述べたとおりだ。
このロードマップそのものはほぼそのまま継承されることになったが(コード名に多少変更はあった)、これに加えて2009年のFinancial Analyst Dayでは、2011年の製品について言及があった。
2011年はSocket G34/C32を維持しつつ、そこにBulldozerコアベースの「Interlagos」と「Valencia」を投入する、という話になっている。Bulldozerコアの詳細は次回以降で細かく説明するが、基本となるのは2コア(というか2スレッドユニット)を1モジュールとする構造である。これを1コアと見なすのか2コアと見なすのかは定義の議論になりかねない。とりあえず1モジュール=2コアと考えると、32nm世代では6コア(3モジュール)と8コア(4モジュール)の2製品が“最低でも”投入されることがわかっている。
“最低でも”というのは、流石に2コア(1モジュール)はOpteron向けには商品性がないにしても、4コア(2モジュール)はデスクトップCPU向けにはニーズがありそうなので、これを流用する形でローエンドサーバーに投入というアイディアはありそうだからだ。そんなわけで、冒頭のサーバーCPUロードマップには破線として4コア(4P)を示しているが、公式ロードマップでは今のところ言及されていない、あくまで可能性としての話である。なにせ製品投入までまだ1年以上あるから、今後どんな変更があっても不思議ではない。
ただしこれはあくまでもOpteron 4xxx向けのValenciaコアの話で、Opteron 6xxxの方は12/16コアのみになると思われる。というのは、恐らくInterlagosはValenciaコアを2つ搭載したMCMとして製造されると思われるからだ。
技術的に見れば、12/16コア(6~8モジュール)と4チャンネルのDDR3インターフェース、4本のHyperTransport Linkを持つ1枚のダイを作ることは不可能ではないだろうが、流石にこれだけの半導体を集積すれば、いかに32nmとは言えダイサイズはかなり大きくなるし、そうなると歩留まりも相当落ちる。しかも、これだけコア数が大きいと、Opteron以外への転用は不可能である。
もちろん、製品価格を考えれば高コストでも製造できなくはないが、市場に受け入れられやすい製品を展開する「スイートスポット戦略」を引き続き行なっているAMDの方針からすると、ちょっと考えにくい。InterlagosでMCMではまずい理由もないので、恐らくそのまま引き継がれるだろう。
ただそうなると、仮にValenciaベースの4コアがあったとしても、これをMCMにしたところで8コア構成にしかならず、Opteron 4xxx系の「Valencia-8P」と差別化しにくい。「CPUパワーよりもメモリー帯域を重視したい」といった、かなりニッチなマーケットがどの程度あるかだが、それほど多くないように思える。恐らくOpteron 6000は16コアと12コアのみ、となりそうに思える。

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