柔らかな外見、でも内部の性能はパワフル
20万円近い価格は、10万円以下のノートパソコンなどが売られている現状では高いように思うかも知れない。しかしインテル® Core™ 2 Duo プロセッサー T9600は45nmプロセスで製造され、FSBが1066MHzに対応するなど、インテル® Core™ 2 Duo プロセッサーの中でも最高スペックのプロセッサーであり、そう考えると決して高い価格ではない。実際にどれだけの性能を引き出せるのか「PCMark05」のCPUテストで比較してみた。
パフォーマンスに関しては、まさにT9600の圧勝と言ってよいだろう。ネットブックなどが搭載する「インテル® Atom™ プロセッサー N280」(1.66GHz)を搭載した機種では1281と、インテル® Core™ 2 Duo プロセッサー T9600の約5分の1の性能しか持っていない。また、バッテリーによる稼働時間を長くしつつ、ある程度のパフォーマンスを出せるのが特徴の「超低電圧版 インテル® Core™2 Duo プロセッサー SU9400」(1.40GHz)搭載機種と比較しても2倍の性能を持っている。
メモリーやHDDの性能も関係するので厳密には言えないが、実際にどれだけ処理速度が違うかというと、約3MBの写真入りのPDFファイルを開いた場合に、インテル® Atom™ プロセッサー N280搭載機は約15秒、超低電圧版 インテル® Core™2 Duo プロセッサー SU9400搭載機では約4.2秒だったのに対し、インテル® Core™ 2 Duo プロセッサー T9600では2.8秒だった。
やはりパフォーマンスが高い方が処理がキビキビとしていて使っていて気持ちいい。CPU性能が低い機種では、どうしてもウェブブラウザーの開く速度が遅かったり、アプリケーションの反応速度が鈍いが、「FMV-BIBLO MT/E50N」を使用していて鈍さを感じたことは一度もなかった。
実は「親に勧められる」というのはこのプロセッサー性能が高いのがポイントだ。ある程度パソコンを使いこなしている人間であれば、「こういう処理をすると遅くなる」という勘所がわかるため、多少処理が遅くても待つことができるが、不慣れな人の場合には処理性能が低くてもたつくと、「壊れたんじゃないか」と勘違いする場合がある。いちいち携帯電話に「このパソコン調子が悪いんだけど……」と電話が掛かってくるよりは、最初からスペックの高いパソコンを用意して快適に使えるようにしてあげた方がいいだろう。
不慣れなユーザーにこそ使って欲しいマルチタッチ
Windows 7がマルチタッチに対応し、「液晶に直接触れて2本の指で操作できる」という解説は多いが、実際に誰のためのマルチタッチかを論じる媒体は少ない気がする。個人的な意見になるが、パソコンに不慣れなシニア層のユーザーこそマルチタッチが必要ではないだろうか。
例えばパソコン教室で講師が「画面のOKボタンを押して下さい」と言うと、思わず液晶を指で押してしまう受講生がいる。パソコンに慣れたユーザーにとっては笑い話かも知れないが、別に不思議なことでも間違った行動でもない。パソコンに慣れたユーザーはマウスとキーボードで操作するのが当たり前と考えるが、今までをほとんどパソコンを触ったことないユーザーにしてみれば日本語で言われたとおりにしただけである。銀行のATMの多くはタッチパネルの操作となっており、これに慣れていると画面を押せば操作ができると考える心理も理解できる。
また、キーボードとマウスが苦手でどうもパソコンをうまく操作できないという人も多く、実際に自分の親もダブルクリックがうまくできない。そんなユーザーにとっては今のパソコンのスタイルは優しくないのだ。この解決策として挙げられるのが、「FMV-BIBLO MT/E50N」のようなタッチ操作できるパソコンだ。実際に自分の親にも使わせてみたが、ニコニコしながら「これなら簡単ね~」と言いながら嬉しそうに指でタッチしてウェブのニュースを見ていた。
Windows 7でマルチタッチが使えるようになった利点として、ウェブブラウザーの文字の拡大縮小が2本指の操作(親指と人差し指を開いたり閉じたりする動作)で簡単にできることが挙げられる。自分の親もそうだが、パソコンが苦手なシニアユーザーはその理由として、パソコンで使用される文字はサイズが小さくて読みにくいことが多いようだ。これを簡単に拡大できるのはシニアユーザーにとって嬉しいところだろう。マルチタッチを搭載した「FMV-BIBLO MT/E50N」は、シニア世代がパソコンを使いこなせるようになる1つの回答と言えるのではないだろうか。