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宣言や啓発から実効性アピールへ進んだ エコプロダクツ2009

2009年12月12日 13時53分更新

文● 行正和義

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ジリオン・ネットワークスブース

ジリオン・ネットワークスの「NetMoni」シリーズ

オフィスでも家庭でも、単に電力消費の低い機器に交換するのではなく、どれだけ電力消費をしているのか分かるようにする“見える化”の技術が省電力の基本。ジリオン・ネットワークスの「NetMoni」シリーズは有線LANを備えたACタップで、それぞれの電力消費を計測、ネットワークで集中監視して個々にON/OFFが可能だ

キングジムブース

キングジムの「ハイブリッドファン」

キングジムの「ハイブリッドファン」は、天井のエアコンに取り付けるだけの無動力のファン。エアコンの風を受けて回転し、冷風や温風を効果的に散らすことでオフィス空調を効果的に利用できる

 エコプロダクツ2009は参加企業だけでも、自動車から家電、IT、流通、販売まで幅広く、エコカーやエコ家電、流通や家庭、工場、オフィスの省エネ化技術など見どころは満載だ。ハイブリッド/フル電気自動車、エコ家電などは目を見張るほど急速な普及もあって、認知度も高く、また新商品でも大きくアピールされるポイントだけに、市販品のエコ技術の“先”を見せるのも重要だ。

スバルブース

スバルのフル電気自動車「プラグインステラ」

自動車メーカー各社はハイブリッド/電動自動車を展示。動力技術に加えて軽量化のためのさまざまな試みなども。スバルの「プラグインステラ」は家庭用100V電源から充電できるのがポイントだ。とはいえ満充電の走行距離は90kmでは、まだフル電気自動車の普及の道のりは長いようだ

 車や家電などと比べて消費者にはエコが見えにくい物流業種においては、エコをわかりやすくアピールする必要がある。CO2の排出を抑えつつ、利用する企業にもコスト低減につながるかどうかが注目される。

JR貨物ブース

JR貨物の鉄道コンテナ輸送

物流関連の業種からも多くの出展があったのは目新しい。JR貨物は通常のトラック輸送に比べて鉄道コンテナ輸送がCO2削減量1/7であることをアピール。現在“お試しサービス”なども展開していて、物流業界の意識改革を進める

日本郵船ブース

日本郵船の「スーパーエコシップ」

YYK(日本郵船)が2030年に実現を目指す「スーパーエコシップ」は、甲板上に帆を太陽電池を備えて、CO2排出を69%削減するという超省力貨物船。ヨットのような帆もインテリジェントに自動制御され、さらに気泡で船体を覆って抵抗を減らすなどさまざまな技術が盛り込まれる

佐川急便ブース

佐川急便の配送用自転車

流通業によってCO2削減は大きなアピールポイント。佐川急便では09年夏より導入している配送用自転車を展示。電動アシスト機能を備える

 自治体関連のブースも同様で、かつてのような「発電風車を立てればエコ」といった単純な企画は、ほぼ見られなくなった。その地域の風土に合わせた森林や河川の保護、新しい開発計画などをアピールするものが多く、政権交代の影響を受けてか、方向性が大きく転換した印象を受ける。

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