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第3回 鳥取編

「スタバのない県」鳥取で町並作りがまちづくりに!

温泉まち・鹿野町に相応しいWebサービスを考える

2009年12月15日 00時00分更新

文● Web Professional編集部

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コミュニティをサポートするWebサイトとは?

 鹿野町の「町並みづくり」が「まちづくり」になった成功例から学べるのは、リーダーの構想力とメンバーのコミュニケーションの大切さだ。故郷を愛し、どうすれば故郷が廃れずに次の世代に受け継がれるのかを考え、「まあ見ていろ」と姿勢を崩さないリーダー。「地元らしさ」は何かを考え、外から人を呼んで地域を活性化するにはどうしたらいいかを考えたプロジェクトのメンバー。彼らをサポートするWebサイトとは何だろうか。

鹿野そば道場で作った手打ちそば
鹿野そば道場で作った手打ちそば

 鹿野町の場合、「地元らしさ」の1つが鹿野そばだ。鹿野そば道場のWeb担当者は、「地元100%の材料と道具で十割そばを作っている。そのこだわりを伝えることを目標にWebサイトを制作した」という。そば道場のWebサイトでは蕎麦打ち体験の予約を受け付けているが、ユーザーはWebで問い合わせが出来て便利でも、担当者の作業は電話でもFAXでもメールでも手間は同じ程度にかかる。不慣れなPCでの操作には不安もあっただろうが、いまでは日々、予約や問合せメールの対応に追われているという。キレイで立派なWebサイトを作ったところで、電話やFAX並に簡単に使えなければ意味がないのだ。

 また、Webサイトの運営はそば道場の本業ではない。ユーザーからWebサイトが落ちている、と言われても対応のしようがないだろう。「サーバー障害によるユーザーのクレームは、今のところ1件もない」のも、電話やFAXの稼働率を考えれば当たり前。「ふるさと鹿野が運営している国民宿舎山紫苑で既に利用しているレンタルサーバーが安心して使える」ことから、同じ会社のレンタルサーバーと契約することにした。そば道場のWebサイトを制作した担当者は、「サーバーは何より安定稼動することが一番大切。その面で、そば道場さんとしては不要な心配をすることなく、本業に徹することができているはず」と話す。

鹿野そば道場のWebサイトと建物
鹿野そば道場のWebサイトと建物

 長尾社長は、「まちづくり協議会のWebサイトも作りたいと考えている」という。ふるさと鹿野やそば道場が外向きの情報発信とすれば、まちづくり協議会のWebサイトは美しい景観を住民が作り上げた実績を発信する外向きの情報と、協議会のメンバーでなくても、協議会で何が話し合われたのか、鹿野のまちづくりはどんな方向に進んでいくのかを住民が共有する内向きの情報発信が必要になるだろう。たとえば、町内会の掲示板のように、地域で起きていることがいつでも確認できて、誰でも発言できる掲示板が簡単に導入できるような基本的なアプリケーションにも需要があるかもしれない。

 とはいえ、掲示板管理につきもののスパム書き込みの消去などは、レンタルサーバーのオプションサービスで委託できた方がよさそうだ。また、Twitterのようなグローバルなつぶやきではなく、メンバー間でのローカルにつぶやけるWebアプリケーション、全人類の智恵を結集するためのグローバルな百科事典サイトではなく、地元の情報を誰でも簡単に書き込んで出来事や物事を記録できるローカルな事典サイトなど、Webスケールの対極にあるローカルなWebアプリケーションの需要は、鹿野町だけでなく実は多くあるだろう。


■ふるさと鹿野が利用しているファーストサーバのサービス

コース名 メジャー・コース(エコノミー・シリーズ)
ディスク容量 40GB
初期費用 5250円
月額費用 2625円
メールアドレス数 20~ 追加可

※ふるさと鹿野が利用している「ギガント2」は新規提供を終了しており、該当する現行サービスである「メジャー・コース(エコノミー・シリーズ)」の仕様

鹿野そば道場のそば打ち体験記

そば打ち体験
(1)そば粉、打粉、こね鉢などは道場が用意してくれる(2)そば粉に水を加え、全体に水分が行き渡るように混ぜる
そば打ち体験
(3)塊になるよう、手のひらで形を整えながらこねる(4)打粉をかけた麺台に載せ、円状につぶす
そば打ち体験
(5)麺棒で厚みが均等になるように広げる(6)打粉をかけ、方向を変えながらどんどん広げる
そば打ち体験
(7)麺切板に載せ、長方形に折りたたむ(8)こま板を数ミリずつ移動しながら、そば包丁で切る
そば打ち体験
(9)切ったそばをそば箱に入れる(10)すばやくゆでる

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