このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

目指せ快適! MacBook Pro長期レビュー 第7回

MacBook Proでデュアルモニター「基本のキ」

2009年12月10日 16時00分更新

文● 海上忍

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

Mini DisplayPort 、自分はこう使いたい

新iMac

新iMac

 今回Mini DisplayPort に注目したのは、10月発表のiMacがきっかけだ。MacBook Proなど、ノートのMini DisplayPortは出力のみだが、新iMacのうち27インチモデルは入力にも対応しており、さらに外部モニターとしても活用できる。

 ただし、液晶パネル自体は独立動作せず、iMac内蔵のグラフィックコントローラを経由しなければ(すなわちiMacの電源がオンでシステムが稼働していなければ)表示できない。

 しかも純正品のケーブルは12月現在の時点で発表されておらず、サードパーティーのベルキンが出している「Mini DisplayPort to Mini DisplayPort 1.5M Cable」に頼らざるをえない(関連記事Apple Storeで見る)。

Mini DisplayPort to Mini DisplayPort 1.5M Cable。2980円

 iMacはそのような状況だが、目をiMac以外に向ければどうだろう? ふと右手を見やれば、デスクトップ用だが普段はあまり使わない(仕事場でもメインはMacBook Proなのだ)ナナオの液晶ディスプレーが、左手を見やればHDMI入力端子を備えた液晶テレビがある。

 そうだ、MacBook ProからMini DisplayPort経由でDVI信号を取り出し、そこへ映せばいいではないか。なんのことはない、3400円で販売されているApple Mini DisplayPort - DVI アダプタさえあれば目的を達成できてしまう(Apple Storeで見る)。

 外部ディスプレーの用途はいろいろある。iPhotoの写真を大画面に出力して、大勢で楽しむもよし。DVDのライブ映像を音質良好なスピーカーが付いたテレビで楽しむもよし。もちろん、仕事用にプレゼンテーションの予行演習をしてもかまわない。

デュアルディスプレーなら、仕事しつつ別画面でDVDを楽しむことも可能だ(能率は落ちるが……)

 用意する小道具は前述のアダプターと、「Belkin HDMI-DVI Cable 1.8m」のようなHDMI-DVI変換ケーブル(または両側がDVIのケーブル)だけだ。

 なお、DVIではなく、VGA端子が付いたタイプのアダプタも販売されている。こちらでも外部ディスプレーやテレビに出力できるが、信号はアナログとなるため、DVIに比べて画質は低下する。接続先の表示装置に両方の入力端子がある場合には、迷わずDVIを選択しよう。

新iMac

27インチiMacのMini DisplayPortは入力にも対応しているが、iMac本体の電源が入っている必要がある


デュアルディスプレーの基本

 Apple Mini DisplayPort - DVIアダプタを接続して最初に現れる変化は、システム環境設定の「ディスプレイ」ペインだ。「調整」タブが追加されて、メニューバーが付いたMacBook Pro内蔵の液晶パネル(メイン画面)と、アダプタ経由で接続した表示装置(サブ画面)が現れる。

 このタブに表示された通りにMacのデスクトップは拡大され、ウインドウの配置やカーソルの行き来ができるようになるのだ。初期値では、外部表示装置は内蔵モニタの右横に表示されるが、ドラッグすれば上や下、右に移動できる。この設定次第で、2枚の画面の置き方が決まる。

このように、サブ画面の位置は「調整」タブで変更できる

 「ディスプレイをミラーリング」というチェックボックスは、有効にしておくと、メイン画面がそのままサブ画面に映し出される。教える側の画面を見ながら受講者が学ぶ、いわゆるハンズオンセミナーでは、このミラーリングを利用することが多い。

 CPUへの負荷だが、デュアルディスプレーでもミラーリングでも、内蔵の液晶パネルを単独で利用しているときよりは高くなる。Snow Leopardに付属の「DVDプレーヤー」と「アクティビティモニタ」を利用して測定したところ、アダプター未使用時に内蔵の液晶パネルでフルスクリーン表示したときは平均11%程度、デュアルディスプレー時にサブ画面でフルスクリーン表示したときは平均19%程度だった。

 長時間連続使用する場合は、ボディーがそれなりに熱を帯びるはずなので、設置場所には留意しよう。

ハードやソフトの利用状況を調べられるユーティリティ「アクティビティモニタ」でDVD再生時のCPU負荷を測定したところ。長時間連続使用するときには、ボディーの熱に注意しよう



※次回は12月15日(火)掲載予定です


筆者紹介──海上忍


ITジャーナリスト・コラムニスト。アップル製品のほか、UNIX系OSやオープンソースソフトウェアを得意分野とする。現役のNEXTSTEP 3.3Jユーザにして大のデジタルガジェット好き。近著には「改訂版 Mac OS X ターミナルコマンド ポケットリファレンス」(技術評論社刊、Amazon.co.jpで見る)など。



前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

ASCII.jp RSS2.0 配信中