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Windows 7で行なうオーバークロック 第1回

オーバークロックの基礎知識

2009年12月09日 16時00分更新

文● 石井 英男

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オーバークロックで性能アップ

 それでは前ページのBIOS設定で、どれくらい性能が向上したのか見てみよう。

定格動作時にCPU-Zを利用してCPU情報を確認したところ。「Bus Speed」がベースクロックを表しているが、133.7MHzになっていることに注目。CPU負荷が低いときに、クロック倍率を下げてCPUクロックを自動的に落とすSpeedStepテクノロジが有効になっているため、CPUクロックは1203.7MHzになっている(Core i5-750の定格CPUクロックは133MHz×20の2.66GHzである)

BIOS設定画面でベースクロックを166MHzに上げ、再びCPU情報を確認した。Bus Speedが166.6MHzに上がっているため、CPUクロックが1499MHzに向上している。定格の20倍動作なら、3.33GHzとなる

 BIOS設定画面でベースクロックを133MHzから166MHzに上げたことで、CPUクロックもそれに比例して上がっている。そこで、ベンチマークソフト「PCMark05」のCPU Scoreを計測してみたところ、結果は下のグラフのようになり、オーバークロックによって、確かにパフォーマンスが上がっていることがわかる。

「PCMark05」のCPU Test better→

オーバークロックのリスク

 追加コストをかけずに、CPUやGPUのパフォーマンスを上げられることがオーバークロックの魅力だ。どこまでオーバークロックできるかは製品にもよるが、比較的オーバークロック耐性が高いインテル製CPUでは、定格の1.5倍以上のクロックで動作することも珍しくはない。しかし、オーバークロックは、メーカーの保証外の行為であり、あくまでユーザーの自己責任でトライするものだということを忘れないで欲しい。
 無茶なオーバークロックは、CPUなどの寿命を縮める可能性が高く、最悪の場合はCPUを壊してしまうこともあり得る。オーバークロックを行なうと、それだけ発熱が増えるので、CPUクーラーの冷却性能が足りないと、熱暴走の原因になる。オーバークロックマシンを常用するつもりなら、動作限界クロックよりもクロックを下げ、マージンを確保しておくことをお勧めする。
 CPUなどに使われるCMOSには、電圧を上げるとスイッチング速度が速くなるという特性があるため、供給電圧を定格よりも上げることで、オーバークロックの限界を高めることが可能だが(通称喝入れ)、電圧を上げすぎると、即座にCPUが破壊されてしまうため、リスクが大きい。電圧を上げる場合、定格の1割アップ程度までにするのが無難だ。特に、オーバークロック初心者は、供給電圧はいじらず、ベースクロックやクロック倍率の変更のみにとどめておくべきだ。

 今回は、オーバークロックの基礎知識の解説を行なったが、次回からは最新CPUを用いてオーバークロックがどこまで可能か、実際にテストしていきたい。

液体窒素を使った究極のオーバークロック。オーバークロックは熱との戦いとも言える

【機材協力】

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