4倍速駆動が液晶での3Dテレビ実現の鍵となった
Q フレームシーケンシャル方式は自発光型デバイスはともかく、液晶テレビでは難しいと聞きましたがどうなのでしょうか?
A フレームシーケンシャル方式を液晶で実現するのは、その特性上従来は難しいとされていました。理論上では倍速表示(秒間120フレーム)であれば、右目用と左目用に毎秒60フレームずつ表示できるのですが、右目用と左目用に交互に表示される映像のクロストーク(干渉)を完全に排除するのが難しいのです。
そこで4倍速表示(秒間240フレーム)技術を利用することで、右目用、左目用の映像を干渉無く表示して、ソニーが目指す鮮明な3D映像が表示可能になりました。2008年に他社に先駆けて4倍速表示を可能にしたソニーの技術が、今回の3Dテレビのバックボーンになっているのは事実ですね。
Q. とすると、この時期に一斉に3Dテレビが盛り上がってきたのは、パネル技術の進化などで実現可能な時期が到来したという側面があるのでしょうか?
A 4倍速表示が可能になったこととの関係は大きいですね。ソニーの場合、2008年にはまず4倍速表示のテレビを製品化するプラオリティが高く、そして2009年には普及モデルへの拡大を果たしました。2010年にはさらなる付加価値ということで3Dテレビへの応用を目指しています。
Q コスト的にはどうなのでしょう。3D対応テレビは普通のテレビよりとても高くなってしまったりするのでしょうか?
A 実際にどのような形で製品をリリースするかは決まっていませんが、既に発売されている4倍速駆動のモデルに対して、大きく価格が上がることはないという目処は立っています。
ただしもちろん3Dメガネの分は確実にプラスされます。そもそも付属するのか別売にするのかといったあたりはまだ何も決まっていません。カメラ自体も高精度で高速動作の液晶シャッターに駆動回路、充電式バッテリーなど、それほど簡単な構成でもありません。
Q フレームシーケンシャル方式に対応した3Dテレビで、通常の2Dコンテンツを見るときへの影響はありますか?
A 思いつきません。
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