テレビで録画できるのは当たり前の時代がやってくる?
テレビ録画機能
ます最初は、今や各社当たり前の付加機能になりつつあり、来年にはさらに搭載モデルが増加しそうな“録画”機能である。
テレビに内蔵した録画機能より、単体のレコーダーの方がいいじゃないかという意見もあるだろう。しかし何気なくテレビを見ていて「しまった、これ録画しておけばよかった!」と思うことはないだろうか? そのことに気づいてからレコーダーの電源を入れても、まず間に合わない。
このように「録画しよう」と思った瞬間からすぐに録画できるだけでも録画機能内蔵テレビのメリットは大きい。またテレビの録画を大量にする人でも、ディスクに保存するのはわずかだろう。こういう見終わったら消す番組などはテレビのHDD録画だけで十分ではないかと思う。
テレビの録画機能は東芝と日立が古くから自社のテレビに搭載しており、最近になって各社が追従してきた格好だ。大別すると東芝、日立、パナソニックがHDD内蔵。シャープはBD内蔵。三菱はHDD+BD内蔵だ。
各社録画機能搭載モデルの機能比較 | |||||
---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | ||
東芝REGZA | ZX9000 | ○ | ○ | ○ | ○(VARDIA) |
Z9000 | × | ○ | ○ | ||
H9000 | ○ | ○ | × | × | |
R9000 | × | ○ | × | × | |
日立Wooo | ○ | × | × | × | |
パナソニックVIERA | R | ○ | × | × | ○(DIGA) |
シャープAQUOS | DX | BD | × | × | × |
三菱REAL | BHR300 | HDD+BD | × | × | × |
まず東芝「REGZA」はHDDを内蔵するモデルだけでなく、汎用の外付けUSB/LAN HDDの増設に対応する点に注目を集めている。一般的なHDDなので安価に入手できる点が最大のメリットだ。反対にデメリットは著作権保護の関係上、そのHDDを他のテレビ(同じREGZAシリーズでも)に接続できない。なお、ネットワーク機能に対応したZX9000/Z9000シリーズではRD-X8以降のVARDIAに録画データをダビングできる。
日立「Wooo」は内蔵HDDのほか、増設HDDに対応しており、カセット型HDD「iVDR-S」を使用する。「iVDR-S」に対応した「iVポケット」採用テレビなら、録画した番組を再生することが可能。テレビを買い替えたり、複数のiVDR-S対応機器を持っているユーザーには便利だ。しかしiVDR-Sは汎用HDDに比べるとかなり高価なのが残念だ。
パナソニック「VIERA」は今年登場のRシリーズで本格的にHDD内蔵モデルをラインナップした。このRシリーズでは、テレビの録画機能ではどうしても生じる「内蔵HDDが一杯になったらどうするの?」という疑問に対し、同社のDIGAシリーズとの組み合わせで対処したのが特徴的だ。
具体的にはネットワーク経由で番組のダビングが可能である(対応するDIGAはBW770/BW870/BW970)。普段はテレビ内蔵HDDで録画・視聴をして、残しておきたいものだけDIGAにダビングすれば、BDへも保存できる。多少手間はかかるがBDへの保存の道が用意されているのはパナソニックだけだ。
シャープはBDドライブを内蔵するDXシリーズを用意するが、これは気軽にテレビ録画をしたい一般ユーザー向け。マニア層であれば大容量のHDDに録画する快適さは外せないところだろう。
最後の三菱「REAL」は、究極とも言えるHDD+BD内蔵のBHR300シリーズを発売している。同社のBDレコーダーの機能をすべて備えているので、CMカットもできるし編集も可能だ。簡単操作に徹しているので、そのままテレビに内蔵しても機能が煩雑になることもなく、誰でも使いやすいまま編集やダビングができるようになっている。
デメリットとしては、このモデルが基本的にレコーダー+ディスプレイであること。待機時消費電力を最小限にできる高速起動オフでは起動に約10秒ほどかかる(高速起動オンでは最短1秒程度)。レコーダーでは早い部類なのだが、テレビとして使うと案外遅いと感じてしまう。
レコーダーでは当たり前のダブル録画は
REGZAの一部モデルのみ対応なので要注意
レコーダーにできて、録画機能付きテレビにできないために注意したい点として、ダブル録画がある。基本的に録画機能付きテレビのほとんどはダブルチューナーだが、それは録画中の裏番組視聴用でありダブル録画はできない。
例外が東芝REGZAのZ8000/ZH8000/ZX8000/Z9000/ZX9000といった上位モデルと三菱REALのBHR300シリーズ。ただしダブル録画中は録画した番組しか視聴できない。唯一Z9000/ZX9000シリーズ(+CELL REGZA)は、ダブル録画中に地上デジタル放送を視聴できる。
この制約は実はハードの問題というより、B-CASカード1枚あたりダブルチューナーまでしか搭載が認められていないため。上述の「REGZA ZX9000シリーズ」などは、再生用にさらにもう1枚B-CASカードを内蔵するという仕様で対応している。ただ小型のB-CASカードの登場したこともあり、今後はダブル録画+裏番組再生が当たり前になっていくものと予想する。
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