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買ったからには全部言いたい! ペンタ「K-x」の魅力 第7回

聞きたいことが山ほどあった! K-x開発者を直撃!【後編】

2009年12月03日 12時00分更新

文● 小林 伸、撮影協力●クラーク記念高校秋葉原ITキャンパス/仙台キャンパス

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動画撮影機能&ライブビューの課題

動画撮影の画質設定。0.9M(1280×720ドット、16:9)と0.3M(640×416ドット、3:2)から選択できる

動画撮影の画質設定。0.9M(1280×720ドット、16:9)と0.3M(640×416ドット、3:2)から選択できる

 ――そういえば、動画機能ではシングルAFになってしまうのですが。

 小迫:まずは音の問題を避けて通れないのです。特にこのカメラを購入するユーザーがコンティニアスAFの状態で動画撮影したとすると、ユーザーの想定外の騒音になってしまうのでは、という危惧がありました。

 また、ライブビューでの撮影をしていただけるとわかると思うのですが、現状のライブビュー時のコントラストAFのスピードそのままで動画撮影したとしても、AFが撮影対象に追いついていかないと思います。付いていけないのに動作音だけがやたら入るような状態になるので今回コンティニアスAFについては見送りました。今後早急に改善すべき課題だと認識しております。

 ――動画の撮影時間の制限についてですが、4GBというのはFAT32からくる制限なのでしょうが、25分という時間は何が要因ですか?

 山元:主に熱の問題になります。長時間の駆動によってセンサーが熱を持ちますので熱によるノイズの発生を避ける目的で制限を付けています。

ライブビューのAF設定

ライブビューのAF設定

 ――そういえば、ライブビュー撮影で「コントラスト検出+顔検出」が初期設定になっていますが、撮影シーンにもよるのでしょうが、わたしが撮影したときはなかなか人物の顔を認識してくれませんでした。ペンタックスの別のコンパクトデジタルカメラの顔検出機能の方が早く確実に感じたのですが。

 山元:時間がかかると感じるのはフレームレートの違いが影響していると思います。おそらく使われたコンパクトデジタルカメラよりK-xの方が若干フレームレートが遅いために人物の顔を検知しづらかったのだと思います。今後の課題とさせていただきます。

 ――先日、K-7向けにファームウェアのバージョンアップがあり、そこで「ファインシャープネス2」が盛り込まれていましたが、K-xにも似たようなバージョンアップの予定などはありますか?

 山元:今のところその予定はございません。あのバージョンアップは、オリジナルのK-7のファインシャープネスではその効果が少ないと感じられているお客様向けにさらに強い効果が出るようにしたものですので、あらかじめ強めに設定してあるK-xには必要ないと思っています。

山元氏

高感度撮影のノイズ低減に力を注いだと言う山元氏

 ――これまでも、いろいろユーザーからのリクエストをフォローアップしてきたペンタックスですので期待しています。最後にK-xの開発に携わった3人様からユーザーに向けてK-xで注目して欲しい機能やもっと使って欲しい機能などありましたらお聞かせください。

 小迫:機構系の部分では、コマ速やAFのレスポンスです。思う存分連写して体感してみてください。それからやはり色ですね。アレはまぁ大変でした(笑)。

 若代:先ほども話がでましたが「クロスプロセス」モードをお楽しみいただきたいです。一般的に考えると絵作りがランダムに変わるというのは、いつでもきれいな写真が撮れることを命題にしてきたデジタルカメラに搭載するには大変勇気のいる機能なんです。もし、普通にキレイに撮りたいときにクロスプロセスの機能が入りっぱなしになっていたとかいうことがないように、電源をOFFにすると機能もOFFになるなど、細かい部分に神経質になりながら搭載したので、クロスプロセスそのものを知らないユーザーの方にも是非試していただきたい機能です。

 山元:ノイズ低減というところに時間を割いて検討してきて結果が出ているので、高感度のISO 1600以上の部分も積極的にお使いいただいて、その良さを感じていただけるとうれしいです。

 ――本日はお忙しい中、ありがとうございました。


次世代機にワクワク

 以前からペンタックスのエントリーモデルは、直前に発表されている上位機種よりも部分的にスペックが上のことがある。おそらく、同時進行とは言わないまでも、開発時期が多少重なることがあり、その中で培われた技術やノウハウをエントリーモデルだからといってもったいぶらず、発売直近のもののほうに、その時点で最善の技術を盛り込むというポリシーがあるのだろう。

 ぎりぎりまで最善を尽くし、その後もできるだけユーザーの声を汲みとる。そして反映されている様はK-7の「ファインシャープネス2」の新たな搭載や、この記事が掲載される直前に発表されたK-xのファームウェアアップグレード(クロスプロセスや電池の残量表示に関するものなど)にも現れている。

 今回のインタビューの中で聞いた話を記事に反映できない部分は多々あった。本来はその部分のほうが面白かったりするのだが、脱線の具合が激しすぎたので割愛させてもらった。しかし、そんな脱線した話の中で、このK-xをこうしたらああしたら? という希望とも空想とも言える話がたくさんでてきた。そんな話の中の1つや2つは次のカメラに搭載されるのではないか? と勝手に想像してワクワクする自分がここにいる。K-xの更なる熟成と、次のデジカメにも期待感が高まるきっかけを与えてくれる取材だった。


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