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大河原克行が斬る「日本のIT業界」 第4回

WLDCが目指す、年間1000万台のパソコン出荷

日本のPC普及は進んでいない、とバルマーが語る背景

2009年12月01日 09時00分更新

文● 大河原克行

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日本における“PC普及促進”のなぜ?

 WDLCのもともとの狙いは、日本におけるPCの普及促進にある。

 これを聞いて、「なぜ、普及促進という言葉が出てくるのか」と思った読者もいるだろう。

 オフィスには数多くのPCが導入され、内閣府の調査でも日本のPC世帯普及率は73%に達している。PCはすでに普及していると見るのが当たり前だからだ。

 だが、業界では、まだまだPCが普及する余地があると見ている。

先日来日した米マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEO

 先頃、来日した米マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOは次のように語った。

「日本のPC産業は、年間1400万台の市場規模。だが、それに対して米国は5500万台の年間出荷台数がある。人口の差は2.5倍であるのに対して、PCの出荷規模では4倍の差がある。また、10年前と比べても日本のPC市場はそれほど拡大はしていない。高齢者や家庭などにもっと導入していく必要があるほか、教育、医療分野への導入、さらには、日本の企業の成長を促すためにも、中小企業へのPC導入を促進する必要がある」


 また、インテルの日本法人社長である吉田和正氏も

「日本のPC市場は少なくとも年間2000万台規模の市場規模があってもいいと考えている。早期に2000万台の市場規模にするためには、ユーザビリティーの向上や価格の最適化などが必要。アプリケーションもさらに広げる必要がある。また、PCのアーキテクチャーが、自動車や携帯電話といったところにも活用されるようになれば、PCのアーキテクチャーの普及という観点では、年間3000万台規模の出荷も見込めるようになる」


と、今後のPCの普及に期待を寄せる。

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