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大画面テレビ&BD時代のサラウンド入門 第4回

臨場感が段違い! AVアンプのススメ

2009年11月30日 12時00分更新

文● 大塚 康一

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いい音の秘訣はパイオニアのテクノロジー

 今回の特集でも再三出てくる、サラウンドシステム設置時の一番面倒な作業は、6本置いたスピーカー(5.1chの場合)の音バランスを、部屋の特性や自分の視聴ポジションに合わせて完璧に調整することだ。それを「Advanced MCACC」という機能で、自動的にやってくれる。付属の測定用マイクでスピーカーから再生される測定音を収録し、高性能な最新DSPが分析して理想的なサラウンド再生環境を設定してくれるのだ。あまりに便利なので、各社が追従して多くのAVアンプに標準装備されるようになった。

音のバランスを調整するには、まず三脚などに付属のマイクを固定。自分がヒヤリングする(座って頭がくる)位置にマイクがくるように高さを調整する

音のバランスを調整するには、まず三脚などに付属のマイクを固定。自分がヒヤリングする(座って頭がくる)位置にマイクがくるように高さを調整する

マイクの設置が終わったら、「Advanced MCACC」の自動調整処理を待つだけ。数分で終了する

 その方法はどこも大体同じようなものだが、DSPの性能や分析プロトコルの違いによって、必ずしも最適な環境に設定されるとは限らない。自動調整後に、改めて手動で微調整しなくてはならない場合もある。しかし、ことパイオニアのアンプに関しては、ほとんどそうした手動補正はしなくても良いほどだ。

 それに加え、先ほど述べたように、何本もスピーカーを立てると、特に各チャンネルに割り当てられた低音成分の位相が乱れてくる。低音だけが遅れて聴こえたり、干渉によって打ち消し合いが発生し、弱々しい低音になってしまうのだ。よく店頭デモなどで、5.1chシステムが派手な音を響かせているにも拘わらず、妙にボンボン言うだけの低音とか、何となく低音が遅れて聴こえる現象というのは、こうした位相の乱れなどが原因であることも少なくないのだ。パイオニアでは、「フェイズコントロール」という技術で、そうした問題を解消している。面白いことに、低音が改善されると、全体の音もキッチリと締まってくるのだ。

 もうひとつ、AVアンプには、サラウンド音声をデコードするだけでなく、実際に何本ものスピーカーを充分な音量で鳴らさなければならないという大事な役目がある。そのためには、最低でも6チャンネル分のパワーアンプを積んでいなければならない。当然コストに跳ね返るため、安価な製品では非常にチープなデジタルアンプ……というよりスイッチングアンプでお茶を濁している場合もある。これでは、ロクな音がするわけはない。

 VSA-919AHでは、スーパーウーファー(専用パワーアンプ内蔵)を除く全ch用に、同社自慢の「ダイレクトエナジー デザイン」思想に基づく実用最大出力170Wの立派なパワーアンプを搭載しているのだ。

VSA-919AHの背面。フロントサラウンドなどと比べてさすがに入出力端子は多い

VSA-919AHの背面。フロントサラウンドなどと比べてさすがに入出力端子は多い

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