Intelチップセットの歴史 その3
RDRAMから逃れてi845~865で盛り返したPentium 4世代
2009年11月30日 12時00分更新
DDR-SDRAMとUSB 2.0対応のIntel 845Eで新時代に
ライセンスの縛りがなくなったことで、インテルは急速にDDR SDRAMへのプラットフォーム転換を図る。まず2001年9月に、SDRAMのみをサポートしたチップセット「Intel 845」をリリースするが、同年11月に「B-stepping」と呼ばれるものもリリースする。このB-steppingはSDRAMに加えて、DDR SDRAMもサポートする(どちらか片方のみを利用可能)という構成である。
ただしこれはいわばつなぎであって、本命は2002年5月にリリースされた「Intel 845E」である。こちらは、B-steppingのIntel 845に533MHz FSBの対応を加えるとともに、ICH4のサポートを追加したものとなる。ICH4はICH2と比べて、以下の違いがある。
- USB 2.0に対応し、ポート数が6に増加
- オーディオがAC97 version 2.3対応に変更
ここで一番大きい変化は、言うまでもなくUSB 2.0の対応だ。この結果、それまでNEC製のUSB 2.0コントローラーを別途マザーボードに搭載する形が一般的だったのが、急速にこのUSB 2.0コントローラーを排して、USBはICH4のみで構成されるようになる。
だが、ここからのロードマップが結構ややこしい。Intel 845Eと同時期に登場したのが「Intel 845G」であるが、これは「Intel 830M」が搭載していたグラフィックス機能「Intel Extreme Graphics」を統合したものだ。ただし、Intel 830Mに比べて動作周波数を若干引き上げてある。また、GPU統合に伴い内部のFIFOバッファを強化しており、AGPポート経由で外部グラフィックカードを使った場合でも、Intel 845Eより若干性能が上がった。このIntel 845Gから外部AGPのサポートを削ったのが、バリュー向けの「Intel 845GL」となる。
Intel 845Gは、2002年10月にDDR333のサポートやグラフィックスコアの動作周波数を引き上げた「Intel 845GE」に進化する。このIntel 845GEから内蔵グラフィックス機能を無効化した(つまりAGPポートのみ)のが、同時に発表された「Intel 845PE」となる。また同じタイミングで、Intel 845GLも「Intel 845GV」に変わるが、こちらは単にIntel 845GLのスペック変更でしかない。
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